技を繰り出し、ダメージが計算され、命中判定があり、追加効果が発生するまでの流れをまとめました。
- 技を繰り出せるかどうかの判定
- PPの判定
- 命中判定
- ダメージ計算
- 追加効果の判定
- 接触判定
そもそもの技自体が繰り出せるかどうかの判定があります。主に
眠りや混乱などで動けないなどがそれにあたります。
- 眠り
- 凍り
- 「はかいこうせん」「ハードプラント」「ブラストバーン」「ハイドロカノン」の反動
- ひるみ
- 金縛り
- なまけ
- 封印
- 混乱
- 麻痺
- メロメロ
技を繰り出せるかどうかの判定は以上の優先順位で動けるかどうかの判定が行われます。
なお、
眠りと混乱に関しては、この判定の
直前に状態から解けるまでのターンが消費されます。
特に
混乱は判定順が先の眠りや凍りで動けないと混乱の判定が行われないことに注意が必要です。
ただし、特性の「
なまけ」に関しては優先順が先の判定で動けなくても必ず判定があります。
その他にもゲーム中ではバッジ未所持で「命令を聞かない」などがありますが、通信対戦では無関係なので割愛します(^^;
技を繰り出せるようであれば、コマンド選択した技を繰り出す前に技のPP(パワーポイント)を消費します。
技を使用するとPPが1減り、残りPPが0になると、PPを回復しない限り、戦闘中その技を繰り出せなくなります。
ちなみに「
プレッシャー」特性のポケモンを対象に技を使用した場合は更に1減ります。
2倍じゃないよ(^^;
なお、以下の複数のターンを必要とする技は
自らコマンド選択をしたターンのみPPを消費します。
- あなをほる(2ターン)
- そらをとぶ・とびはねる(2ターン)
- ダイビング(2ターン)
- ゴッドバード・ソーラービーム・かまいたち(2ターン)
- がまん(2ターン)
- あばれる・はなびらのまい・げきりん(2〜3ターン)
- さわぐ(2〜5ターン)
- アイスボール・ころがる(2〜5ターン)(※攻撃が外れるまで続き、5ターン連続で命中すれば解除される)
ダメージ計算の処理が一通り済んだら、今度はポケモンの技が命中するかしないかの判定になります。
命中判定は、1〜100の乱数を生成し、以下の計算式で求められる最終的な命中率以下であれば命中する。
技の種類 | 計算式 |
通常攻撃技 | 技の命中率×(攻撃側の命中率ランク-防御側の回避率ランク)×特性補正×持ち物補正
(※かけ算・割り算をするとき、小数点以下が出たときに小数点以下を切り捨てにする)
|
一撃必殺技 | 技の命中率+攻撃側のレベル-防御側のレベル
(※かけ算・割り算をするとき、小数点以下が出たときに小数点以下を切り捨てにする)
|
なお、攻撃側が
心の眼状態及び「
ノーガード」特性のとき、これらの命中判定に関係なく
必ず技が命
中します。
また、技リストの命中率が指定されていないものに関しては、身を潜めているポケモン以外には必中となります。
【 例外 】連続攻撃技の場合
1ターンに2回以上連続で攻撃する技は最初の1発目のみ命中判定があり、以下の成功率によって当たる回数が決定します。
- 2回連続:100%(2発目)
- 3回連続(トリプルキック):1/3(1〜3発目)
- 2〜5回連続:35%(2発目・3発目)・15%(4・5発目)
- ふくろだたき:瀕死を含む状態異常にかかっていない手持ちポケモンの数
ポケモンのダメージ計算は大きく以下のブロックに分けられています。
- ダメージ本体
- 定数項+2
- 急所
- ランダム化
- タイプ一致
- タイプ相性
(1)ダメージ本体の計算
ダメージ本体の計算式に関しては、ポケモン第二世代以降と変更されていません。
技の種類 | 計算式(※下の計算式はExcel計算用の正確な計算式です) |
物理攻撃技 | 技の威力×(レベル×2÷5+2)×物理攻撃力÷防御側の物理防御力÷50
(※かけ算・割り算をするとき、小数点以下が出たときに小数点以下を切り捨てにする)
=int(int((技の威力×int((レベル×2)/5)+2)×物理攻撃力/物理防御力)/50)
|
特殊攻撃技 | 技の威力×(レベル×2÷5+2)×特殊攻撃力÷防御側の特殊防御力÷50
(※かけ算・割り算をするとき、小数点以下が出たときに小数点以下を切り捨てにする)
=int(int((技の威力×int((レベル×2)/5)+2)×特殊攻撃力/特殊防御力)/50) |
ダメージ本体の計算には…
…を用いますが、以下の技の場合は例外があります。
- 「ふくろだたき」
⇒ 攻撃側の物理攻撃力ではなく攻撃側の物理攻撃力の種族値を使用
⇒ 防御側の物理防御力ではなく攻撃側の物理防御力の種族値を使用
これでポケモンのレベルとステータスと技の威力を用いた基本の計算は終了になります。
また、技の威力・攻撃力・防御力には以下のような補正がかかります。
(2)定数項+2
ダメージ本体のブロックの計算終了後、+2します。「ダメージ本体」と「+2」を離して考えておくと何かと便利です(^^;
なお、ダメージ本体に+2をする前で以下の処理が行われます。
- 攻撃側の 火傷(0.5倍)
- 防御陣の リフレクター・ひかりのかべ(単体:0.5倍・全体:2/3倍≒0.6596)
- 攻撃側の 技の有効範囲が2匹以上(0.5倍)
- 場の 天候補正
(3)急所
「急所に当たった!(きゅうしょに あたった!)」場合はダメージが2倍になります。
更に急所ダメージの場合は以下の効果を無視します。
- 「リフレクター」と「ひかりのかべ」の効果
- 攻撃側の攻撃力ランクがマイナスの場合の攻撃側の攻撃力ランク
- 防御側の防御力ランクがプラスの場合の防御側の防御力ランク
なお、攻撃技が急所に当たる確率は通常1/16ですが、攻撃側に以下の条件がある場合変動することがある。
急所ランク |
急所に当たる確率 |
+4 |
1/2 |
+3 |
1/3 |
+2 |
1/4 |
+1 |
1/8 |
0 |
1/16 |
急所ランクを上げる要素は以下の通りになる。
ただし、防御側のポケモンが以下の条件を持っているとき、急所に命中しない。
(4)ランダム化
急所の補正まで考慮したダメージはランダム(乱数)で85%〜100%の16段階のいずれかになる。
なお、ダメージのランダム化を計算後に以下の処理が行われます。
- 技
- 小さくなる状態のポケモンを対象とする「ふみつけ」「おどろかす」「じんつうりき」「ニードルアーム」
- 場から退くポケモンを対象とする「おいうち」
- このターンに相手からダメージを受けた場合の「リベンジ」
- 「ウェザーボール」
- 状態変化
- じゅうでん(2倍)
- てだすけ(1.5倍)
(5)タイプ一致
攻撃側のポケモンのタイプと技のタイプが同じ場合はランダム化まで考慮したダメージが1.5倍になります。
(6)タイプ相性
攻撃側の技のタイプと防御側のポケモンのタイプの相性によって以下のようにダメージが変わります。
【 タイプ相性表(第2回改訂版) 】
リストの記号 | ダメージの倍率 | メッセージ |
● | 2倍 | 「こうかは ばつぐんだ!」 |
▲ | 1/2倍 | 「こうかは いまひとつの ようだ!」 |
× | 0倍 | 「こうかは ない みたいだ……」 |
物理攻撃 |
防御側のポケモンのタイプ |
特殊攻撃 |
ノ |
格 |
飛 |
毒 |
地 |
岩 |
虫 |
ゴ |
鋼 |
炎 |
水 |
草 |
電 |
エ |
氷 |
ド |
悪 |
攻 撃 側 の 技 タ イ プ |
ノーマル | | | | | | ▲ | | × | ▲ | | | | | | | | |
格闘 | ● | | ▲ | ▲ | | ● | ▲ | × | ● | | | | | ▲ | ● | | ● |
飛行 | | ● | | | | ▲ | ● | | ▲ | | | ● | ▲ | | | | |
毒 | | | | ▲ | ▲ | ▲ | | ▲ | × | | | ● | | | | | |
地面 | | | × | ● | | ● | ▲ | | ● | ● | | ▲ | ● | | | | |
岩 | | ▲ | ● | | ▲ | | ● | | ▲ | ● | | | | | ● | | |
虫 | | ▲ | ▲ | ▲ | | | | ▲ | ▲ | ▲ | | ● | | ● | | | ● |
ゴースト | × | | | | | | | ● | ▲ | | | | | ● | | | ▲ |
鋼 | | | | | | ● | | | ▲ | ▲ | ▲ | | ▲ | | ● | | |
炎 | | | | | | ▲ | ● | | ● | ▲ | ▲ | ● | | | ● | ▲ | |
水 | | | | | ● | ● | | | | ● | ▲ | ▲ | | | | ▲ | |
草 | | | ▲ | ▲ | ● | ● | ▲ | | ▲ | ▲ | ● | ▲ | | | | ▲ | |
電気 | | | ● | | × | | | | | | ● | ▲ | ▲ | | | ▲ | |
エスパー | | ● | | ● | | | | | ▲ | | | | | ▲ | | | × |
氷 | | | ● | | ● | | | | ▲ | ▲ | ▲ | ● | | | ▲ | ● | |
ドラゴン | | | | | | | | | ▲ | | | | | | | ● | |
悪 | | ▲ | | | | | | ● | ▲ | | | | | ● | | | ▲ |
なお、タイプ相性表の例外が以下の通り存在する。
- 見破る状態のゴースト属性のポケモンはノーマル・格闘属性の攻撃技が0倍にならず、1倍になる。
(※なお、「きもったま」特性のポケモンがノーマル・格闘属性の攻撃技をゴースト属性のポケモンに使用する場合も同様である。)
- 場の状態が「じゅうりょく」のとき、飛行属性のポケモンは地面属性の攻撃技が0倍にならず、1倍になる。
- 根を張る状態の飛行属性のポケモンは地面属性の攻撃技が0倍にならず、1倍になる。
- タイプ相性とは別に特定の属性の技を0倍にする特性や持ち物、状態変化
なお、ダメージ計算を行わない変化技に対してもそれぞれ技のタイプが設定されていますが、
タイプ相性表とは関係なく、変化技の効果として効かないタイプがそれぞれ設定されています。
また、物理・特殊攻撃技リストに挙げられている固定ダメージ技は無効以外のタイプ相性の影響を受けません。
ここまですべて計算が終了したら以下の条件があるとき、順に細かい処理をして技のダメージ計算が完了する。
(〆)ダメージ計算ツールの紹介
最後に面倒で複雑なポケモンのダメージ計算をプログラムで算出してくれる便利なダメージ計算ツールをご紹介します。
技が命中してダメージが発生する度に、技の追加効果の判定が行われます。
(※持ち物の「おうじゃのしるし」の効果も同様です)
ただし、以下の特性の場合は追加効果の判定が判定が行われません。
【 付録 】追加効果の2種類以上あるもの
火傷・凍り・麻痺のいずれかにする「トライアタック」に関しては状態異常同士は被らないの原則に寄り、
20%で追加効果が発動したのち、1/3の確率で追加効果が火傷・凍り・麻痺のうちから1種類選ばれます。