■ はじめに
前回の「単体のポケモンバトル」編では『
どちらが相手のポケモンを先に倒せるのか』について解説しました。
しかし、実際のポケモンバトルは、1対1のポケモンバトルではなく、複数のポケモン同士のバトルになります。
今回の「全体のポケモンバトル」編では『
どちらが相手のパーティを先に倒せるのか』について解説します。
前回の章を通じて明らかになった対峙しているポケモンとの有利・不利の関係とポケモンの交代に焦点を当てながら、
パーティ全体で見たポケモンバトル(実践における行動の選択・パーティの構築)について解説していきます。
トレーナーの選択肢
ポケモンの交代
パーティの構築(シングルバトル)
パーティの構築(ダブルバトル)
ポケモンの選出
このステップからは実践において、1ターンのうちにポケモントレーナーの行える選択について紹介していきます。
ポケモン対戦では「(場に出ているポケモンで)たたかう」と「ポケモン(の入れ替え)」を選択することができます。
(※通信対戦・「ポケモンバトルレボリューション」の対戦においては「バッグ」からアイテムを使用することはできません。)
「たたかう」で技を使うか、「ポケモン」で入れ替えを行うとそのターンでの自分の行動が終了したことになります。
1ターンにおけるトレーナーの選択肢は「たたかう」と「ポケモン」を更に細かく分けると9通り存在することになる。
- 「たたかう」で覚えさせている技1を選択
- 「たたかう」で覚えさせている技2を選択
- 「たたかう」で覚えさせている技3を選択
- 「たたかう」で覚えさせている技4を選択
- 「ポケモン」で控えポケモンAに入れ替える
- 「ポケモン」で控えポケモンBに入れ替える
- 「ポケモン」で控えポケモンCに入れ替える
- 「ポケモン」で控えポケモンDに入れ替える
- 「ポケモン」で控えポケモンEに入れ替える
- (おまけ)10番目の選択肢:「にげる」で降参する (^-^;
「たたかう」に関してはポケモンの覚えられる技が最大4つまでなので4つの選択肢が存在することになる。
「ポケモン」に関してはトレーナーが連れて歩けるポケモンの数が最大6匹までなので交代先は5つ存在する。
(※公式ルールの場合は対戦に参加させられるポケモンが3体なので交代先は2つで、全体の選択肢は6通り存在する。)
ちなみにダブルバトルの場合はこれに加えて…
「たたかう」から更に自分の味方、相手のポケモンa、相手のポケモンbのいずれかへの攻撃対象を決定する必要がある。
「ポケモン」に関しては、味方のポケモンを同時に交代することを考慮すると、入れ替え方法が12通り存在する。
ただし、以下の技や特性の効果などによって行動の選択範囲が狭まることがある。
「たたかう」のコマンドが制限される |
「ポケモン」の入れ替えが制限される |
|
|
行動の選択
この9つの選択肢を迷わず選べる状況になれば勝ちとなる。ちなみに迷わないのと何も考えないと言うのは違う。
迷わず選べる状況と言うのは『あとはこの選択肢をこの時に選んでいけば間違いなく勝てる!』ということである。
何も考えないで行動を選択するのではなく、この技を選んだらどうなるか、このポケモンに入れ替えるとどうなるか、
それぞれの選択肢の行末について考えをめぐらし、それぞれのケースについて、その場合に自分がどう動けば良いのか、
それを必ず考えた上で初めてコマンドを選択する。これはポケモンに限らず、行動を選択する上で重要なポイントである。
このような行動判断を手助けするのが、STEP1で学習したダメージ計算(タイプ相性・攻撃力と防御力・素早さ)や
種族値、ポケモンの覚えられる技(「ポケモン個別分析」、『POKeDeX:250』さんのポケモン図鑑)の知識になります。
行動判断に困ったときのヒント
自分がどの選択肢を選んでも、相手の取りうる選択肢によって不利な状況になる可能性がある場合は、
相手がこのターンに選択すると思われる選択肢を読む必要がある。理性的な想像力を働かせること。
相手の選択肢は試合中に徐々に明らかになるので情報を蓄積していくこと。以下は情報蓄積の例。
この攻撃を3回耐えるように耐久調整してるのにダメージが大きい。相手は攻撃力アップアイテム持ちかな??
相手のファイヤーが「だいもんじ」を7回打ったから、PPはあと1回で切れるわ。
この項目ではトレーナーの選択肢のひとつである「ポケモン」の入れ替え、ポケモンの交代について解説していきます。
ここで言うポケモン交代は自分のポケモンが倒れたときの交代ではなく、「ポケモン」のコマンド選択で行う交代を指す。
ポケモンの交代とは自分のポケモンが苦手とするポケモンとの交戦を避けることができると言うメリットがあります。
(※コマンド選択で行うポケモン交代をじゃんけんの後出しのイメージに近いことから、「後出し」の交代と呼ばれることもある。)
しかし、交代も技を使うのと同じようにターンを消費するので
交代際に相手からダメージを受けると言うデメリットもあります。
交代で繰り出したポケモンは
HPが削れた状態からでも相手のポケモンを倒せるか?…ということに注意しなければならない。
もしも、交代で受けたダメージが原因で相手のポケモンに先に倒されてしまえば、交代しても圧倒的に不利になってしまうからです。
ちなみにこれは逆に考えれば、相手側が交代で受けるダメージや変化技を出てきたポケモンに与えた結果、
こちらのポケモンが相手の
後出ししてきたポケモンをそのまま倒せるとき、圧倒的に有利になるということでもある。
このように、
相手がポケモンを交代させてくると言う前提で、最もリターンの大きくなる選択を俗に
「交代読み」とも呼ぶ。
例えば、水属性のシャワーズと対峙している電気属性のサンダースが、
シャワーズが交代をしないで居座ってきたときに最もリターンの大きい「10まんボルト」を選ぶのではなく、
交代で出てくるであろうサンダースの苦手な地面属性に有効な「めざめるパワー氷」を選ぶなどがそれにあたる。
ただし、交代読みを読まれて、相手が交代をしてこなかった場合だと「めざめるパワー氷」は水属性に効果はいまいちになり、
等倍ダメージの「ハイドロポンプ」で大ダメージをもらって、相手を倒すまでに必要なターン数が逆転されてしまう場合もある。
繰り返すが、自分の希望に添わない選択肢を選んできた場合のリスクもしっかりと考えた上で、交代読みをするか考えたい。
「キノコのほうし」などのように相手が交代してもしなくても、リスクが小さく、リターンが大きいと言う選択ができればベスト。
なぜ、ポケモンを交代するのか?
目の前に対峙しているポケモンとそのまま戦っても勝てないと判断される場合は交代を選ぶことが多い。
なぜなら、相手より先に自分のポケモンが退場すると相手よりも1匹少ない状態でバトルを進めなければならない。
サッカーに例えるなら、レッドカードを貰って選手が1人退場すると、相手のプレイヤーが1人自由に動けるようになり、
味方チームのディフェンスを突破されやすくなって、相手に得点を決められれやすくなってしまうと言うイメージに近い。
また、退場したポケモンの次に出したポケモンが、相手のポケモンを倒して、手持ちの数が同じになったとしても、
相手はこちら側のポケモンを見ながら有利なポケモンを出せるので、不利な状況からリスタートすることが多いのだ。
そのため、苦手なポケモンが来たらポケモンの交代を選択する!…というのがバトルの基本のように思われている。
しかし、敢えて苦手なポケモンの前で交代をしない(居座ること)で技を選択する方がリターンが大きいこともある。
居座って、苦手なポケモンの攻撃で退場すると、こちらも相手のポケモンを見ながらノーダメージで交代ができる。
(※このように瀕死になった手持ちポケモンの代わりを繰り出す交代を「死に出し」の交代と呼ばれることもある。)
場にいる相手のポケモンをコンボの起点にすることで、相手の残りの手持ちポケモンすべてを一掃できるような場合、
後出しを選択するより、居座って死に出しを選択する方が良いこともある。こういった選択肢を絶対に失念してはならない。
苦手なポケモンと対峙しているとき、ポケモンの交代を必ず選択すると思い込んではいけない。
繰り返すが、ポケモンを入れ替えること、居座ることのそれぞれの選択肢におけるリスクとリターンを、
1ターン先だけではなく、2ターンも、3ターンも先まで、しっかりと考えて選択することが一番重要である。
「受け」と「崩し」
ポケモンを後出しするターンにダメージや変化技を貰った状態からでも、相手のポケモンを倒せるとき、
ポケモンを入れ替えると言う選択肢が機能し、これを「受け(流し)」が成立する状態とも呼ばれる。
また、相手側のポケモンの「受け」が成立しないとき、自分側のポケモンの「崩し」が成立するとも呼ぶ。
(自分側の)「受け」が成立する(≒相手側の崩しが成立しない)具体的な条件とは、
ある特定のポケモンと1対1で戦ったときにお互いを倒すまでに必要なターン数を比較して、
対峙しているポケモンを倒すまでに必要なターン数が…
(自分側のポケモンが先攻の場合):相手より1ターン以上少ない
(自分側のポケモンが後攻の場合):相手より2ターン以上少ない
…場合であり、これが成立しないとき、相手側の「崩し」が成立する。
(例)
ライコウ(先攻) : スイクンを「10まんボルト」で2発(2ターン)で倒せる
スイクン(後攻) : ライコウを「なみのり」で4発(4ターン)で倒せる
ライコウはスイクンを倒すのに必要なターン数を除けば、スイクンの攻撃を2回だけ耐える余裕がある。
攻撃を耐える余裕があれば、特定のポケモンの前に後出ししたり、交代読みを選択するリスクが小さくなる。
ちなみに少し視野を広げると、相手のスイクンも交代してきたライコウと素直にそのまま戦うとは限りません。
相手はゲームのCOMプレイヤーではありません。ここでスイクンを失うリスクがとても高ければ下げてくるでしょう。
そうなれば、ライコウを後出しからでも倒せるポケモンに交代してきて、今度はこちらがピンチになります。
苦手なポケモンと対峙したときに交代する流れになると、交代合戦になり、もう一度元の状況に戻ることがある。
(※交代合戦になった結果、数ターン前と対峙しているポケモンが同じになることを俗に「ループする」などと呼ぶ。)
ただし、同じ状況でも、前とは交代際に何かしらのダメージあるいは変化技の効果を受けている点が異なる。
例えば、交代際でスイクンを繰り出したときに受けたダメージで、2度目に対峙したときのスイクンの残りHPが、
ライコウの「10まんボルト」で1発で倒せる圏内に入っていれば、倒すのに必要な1ターン分を引いて、
スイクンの「なみのり」をライコウが殴り合って倒れるまでの合計3ターン分耐える余裕がでてくることもある。
『攻撃は最大の防御』という言葉があるように、交代際で圧力をかけることで受けなければならないターン数が変わる。
ノーダメージで交代を許し続ければ、こちらが交代で受けなければならない回数が増えて、一方的に不利になるだけである。
交代で何度も攻撃を受けることが難しいポケモンに対しては、苦手なポケモンと対峙してから受けることを意識するよりも、
苦手なポケモンの攻撃の機会を与えないようにして、交代で受けなければならないターン数を減らすことを考えたい。
すなわち、崩しの性能の高いポケモンに対して(交代を選択することで)隙を与えないようにすることを心がけたい。
ポケモンバトルは守っているだけでは勝てない。「受け」とは、あくまで交代で出番を作るきっかけに過ぎない。
相手側にこちらのパーティの突破の起点を作らせず、いかにして先に突破するのかを心がけることが重要である。
【 受けと崩しを有利にするためのヒント 】
- 体力回復技、「オボンのみ」「たべのこし」などをうまく使えば、攻撃を耐えられる回数が増える。
- 「リフレクター」や「ひかりのかべ」を使うことで、相手のポケモンに対して隙を与えないようにできる。
(⇒ 相手が居座ってもダメージ半減、交代してきても後続のポケモンのダメージを半減できるときに強い。)
- 「こだわりハチマキ」を持っているポケモンの前で「まもる」を使えば、相手の行動を制限してから立ち回れる。
(⇒ 「こだわりハチマキ」はピンポイントな交代読みが成功しないと逆に不利になる。)
- 受けの難しいポケモンとは、相手の隙をきっかけに強いポケモンとなりうるポケモンである。
(⇒ 突破力があっても出番がなければ弱い。味方のサポートや死に出しも駆使して出番を作って敵を一掃すべし!)
交代に関連のある技
シングルバトルのパーティのポケモンを考えるということは、『ポケモン』の交代先の選択肢を考えることである。
場に出ているポケモンを下げざるを得ない状況を想定し、それに備えて優秀な交代先のポケモンを準備しよう。
また、前回の「ポケモンの交代」の章で解説した通り、ポケモンバトルはただ守っているだけでは勝てない。
相手のパーティの崩し方をパーティを組み始める最初の段階で考えてから、起こりうる状況をシミュレートしよう。
こちらのポケモンで崩しがたい3匹の組み合わせが出てきたときは、その組み合わせに強い新しい崩しパターンを組む。
これらのシミュレートを繰り返すことでパーティを組む。
パーティ作成の手順としては…
STEP 1. パーティのコンセプト(≒攻め方)を決定づけるポケモンA
(絶対的に強いポケモンであるのが望ましい)を決める。
STEP 2. ポケモンAがピンチのときの交代先のポケモンBを考える。Bの弱点をAが補えるとなお良い。
※ 自分のポケモンがどのようなポケモンで対策されるのかは「ポケモン個別分析」を参考にすると便利かも (^-^
STEP 3. 更にポケモンBがピンチであり、ポケモンAの後出しでカバーできない相手が出てきたときの
交代先のポケモンCを考える(D以降もほぼ同じように考える。)
STEP 4. (公式ルールの場合)3匹ポケモンが揃った段階で、最初に組んだ崩しパターンが通用しづらいと想定される
相手の3匹のポケモンに対して、有効な崩しパターンを作ることができるポケモンを随時導入していく。
STEP 5. パーティの穴を再確認する(以下「バトルフロンティア」に参加できるポケモンチェックリスト)
物理 | 特殊 |
ノーマル | カビゴン | ケッキング | - |
炎 | ファイヤー | - | - |
飛行 | ギャラドス | グライガー | - |
水 | スイクン | ミロカロス | - |
毒 | マタドガス | - | - |
電気 | サンダー | ライコウ | サンダース |
地面 | ラグラージ | ハガネール | - |
草 | ルンパッパ | ジュカイン | フシギバナ |
虫 | ヘラクロス | - | - |
氷 | トドゼルガ | ラプラス | レジアイス |
岩 | レジロック | サイドン | ユレイドル |
エスパー | サーナイト | ソーナンス | - |
ゴースト | ゲンガー | ヌケニン | サマヨール |
ドラゴン | ラティオス | ラティアス | ボーマンダ |
鋼 | メタグロス | レジスチル | エアームド |
悪 | - | - | - |
パーティの穴の確認には「掲示板」でパーティの鑑定を依頼して他人の意見・アドバイスを貰ってみたり、
また、「ポケモンコロシアム」の練習対戦などで実践しながら実地修正していくのもいいだろう。
ポケモンの技と持ち物と努力値を決める
ポケモンの技や持ち物を考えるということは、そのポケモンの実行できる役割を決定するということである。
一般論(?)の「自分と同じタイプの攻撃技は覚えさせて当然」「体力回復技は必須」などにとらわれてはいけない。
どのポケモンを倒したいか、どのポケモンと連携をさせたいのか、どのポケモンの攻撃を何回受け流したいのか、
…そう言ったことを踏まえて技を決定すること。これはポケモンの持ち物や努力値の配分に関しても同様である。
【 技・持ち物・努力値を決めるときのヒント 】
- どのポケモンを倒せるのか、倒せいないのかを明確にする。
- どのポケモンに後出しできるのかを明確にする。
- どのポケモンに後出しされるのかを明確にして、隙を与えないようにする。
- 倒せるポケモンが多いポケモンは交代で隙を見せることが少ない。
ルビーサファイア版から新たに追加されたダブルバトルでは、シングルバトルとは異なるアプローチが必要である。
まず、シングルバトルと決定的に異なるのが、
自分側が相手側に有利なのかがはっきりとしないところにある。
もし、自分の苦手なポケモンが表れても、隣にいる味方のポケモンのサポートで、交代をしなくても戦えるのである。
特にダブルバトルにおいては、交代のターンに下手をすれば、1ターンに2体のポケモンから集中攻撃を受けてしまうため、
シングルバトルのように安易にポケモンを交代すると言うのは、戦況にもよるが、リスクの大きい選択肢と言えるだろう。
ダブルバトルでは交代先のポケモンを考えると言うよりは、味方のポケモンをサポートするポケモンを考えることになる。
ちなみにパーティ作成の手順としては…
STEP 1. パーティのコンセプト(どのような戦略で勝つのか)を決定して軸となるポケモンAを決める。
STEP 2. 軸となるポケモンAをサポートするパートナーのポケモンBを考える。弱点は被らせてはいけない。
※ 自分のポケモンがどのようなポケモンで対策されるのかは「ポケモン個別分析」を参考にすると便利かも (^-^
STEP 3. 更にポケモンA&Bがピンチになったときを想定して交代先のポケモンCを考える(D以降も同じように考える)
STEP 4. パーティの穴を再確認する
ちなみに自分側が相手側に有利なのかどうかがはっきりしないが、行動判断の大きな材料になるのが
素早さである。
ポケモン対戦講座 Part1の素早さの項で取り扱ったが、相手より素早いポケモンは行動機会が増えると言うことを思い出そう。
ダブルバトルにおいてはシングルバトルより単純に相手側からダメージを受ける機会も増え、とりわけ行動機会も少ないのだ。
そのため、ダブルバトルにおいてはシングルバトル以上に先攻を取れるか(≒素早さが高い)ということが重要である。
なお、相手に先制でき、こちらの攻撃で1発で倒せる(相手の行動機会を0にできる)状態を俗に縛っていると呼び、
特定のポケモンを縛れる(立ち回りを制限できる)ポケモンを
「縛り」の役割を持っているポケモンと呼ばれることがある。
あるポケモンの対策として縛れるポケモンを入れることにより、自分の遅い味方のポケモンを自由に動かすことができる。
「縛り」の役割を持ったポケモンが場に複数存在する場合は、その中で
最も先制で攻撃を当てたポケモンから役割を実行できる。
「まもる」や「みきり」、攻撃のはずれなどにより最も先制で攻撃を当てたポケモンが変わると「縛り」を実行できるポケモンが変わる。
【 例 :
1P
サンダース・
ボーマンダ V.S.
2P
スターミー・
メタグロス 】
サンダースが「10まんボルト」でスターミーを1発、
スターミーが「れいとうビーム」でボーマンダを1発、
メタグロスが「じしん」でサンダースを1発で倒せるものとして、
素早さの順番は、サンダース⇒スターミー⇒ボーマンダ⇒メタグロスの順であり、
このなかで一番先制で攻撃できるサンダースがスターミーに対して「縛り」の役割を実行できる。
こうなるとスターミーはサンダースに先制で倒されてボーマンダを倒せずに終わってしまう。
しかし、ここでスターミーが「まもる」を選択して、先制で攻撃を当てたポケモンの順番が変わると…
ボーマンダの「だいもんじ」を1発耐えたメタグロスが「じしん」でサンダースを1発で倒してしまい、
次のターン以降、スターミーを縛れるポケモンが現れなければ、相手のボーマンダを縛ることができるのだ。
ただし、これはサンダースがスターミーの「まもる」を読んで「まもる」や「みがわり」をされると意味がなくなる。
このようにダブルバトルはシングルバトルと比べて、パーティ構築の段階よりも立ち回り次第で勝敗が変わりやすい。
縛りの解除
「ポケモンコロシアム」で遊んだ人はおなじみ、「ポケモンリーグ」の公式ルールでは、
6匹のポケモンをエントリーし、その中から対戦で使用するポケモンを3匹選択する形式を採用している。
(※「ダブルバトル」の場合は6匹のポケモンから4匹のポケモンを選択する形式となることが多い。)
オンライン上では対戦の長引く6対6のフルバトルよりも人気があるのでここで取り扱っておきましょう。
選出の注意点
【 3匹のポケモンを決める 】
パーティ構築でも同様だが、3匹のポケモンが1匹のポケモンにすべて倒されると言う選出は避けたい。
相手のパーティ6匹を突破し易いポケモンを起点に、それをカバーするポケモンを選出するのが基本である。
また、試合前にポケモンを選出する際に、そのポケモンは何のために入れるのかということを必ず確認し、
試合中においても、常に選出したポケモンの最低限の役割を頭に留めておき失念しないように心がけたい。
特に有利な状況で起こりがちだが、最低限果たす必要のある役割を果たすまでは決して欲張ってはならない。
ポケモンに任せられる役割には、他の2匹のポケモンで代わりの効くものと効かないものがあるので注意したい。
【 先鋒のポケモンを決める 】
先鋒のポケモンの選出は、ポケモンバトルの最初の重要な駆け引きとなる。
最初から不利になることも十分に想定されるので、不利になるときのもリスクが1番低い、
後出しの交代で受けるのが難しいポケモンに強いポケモンを先鋒に持ってくることが多い。
…が、それを読まれてしまうこともあるので、「絶対安全」と言う選択肢はない。
■ シングルバトルとダブルバトル
ポケモン対戦講座 Part2では、ポケモンのコマンド選択の仕組みから、パーティの構築方法を考えていきました。
簡単なまとめとして…
- ポケモンのシングルバトルは、相手サイドが交代で受け流せる回数を先に0にするゲーム
- ポケモンのダブルバトルは、行動制限と立ち回りで相手の行動を支配するかのゲーム
…と筆者自身は思いました。
「ポケモンの交代」がしやすいのかどうなのか…というところが、この2つのバトルの大きな違いだと思います。
以上で「ポケモン対戦講座」の「パーティ構想」の部分までが終了しました。
次のSTEPでは、パーティ構築の最終段階、「ポケモンの育成」を取り扱います。
Next : STEP3 「ポケモンの育成」 
Back : STEP1 「単体のポケモンバトル」