単体のポケモンバトル

last up date : 2010/08/18(Wed)

■ はじめに

「ポケモンバトル」をはじめる上で、大切なことは自分や相手の使うポケモンのことを良く知っておくことが大事です。
この単体のポケモンバトル編では、「戦わせるポケモンの有効な使い方」について取り扱っていきます。
(※ここで言う『戦わせるポケモン』と言うのは、「たたかう」のコマンドを選択して戦うポケモンのことを指します。)
あるポケモンが、どのポケモンと戦うのが得意であり、苦手なのかを、判断できるようになることがこの章での狙いです。

目の前に対峙しているポケモンと交代を全くしないで戦い続けると最終的にどちらのポケモンが勝つのだろうか?
(『どちらのポケモンが勝つ』と言うのは言いかえれば、『どちらのポケモンが先に相手のポケモンを倒すか』ということである。)

それは自分のポケモンが相手のポケモンに与えるダメージ、相手のポケモンが自分のポケモンに与えるダメージを、
それぞれ計算して、相手側のポケモンを倒すまでに必要なターン数が少ないポケモンが勝つことになります。
また、相手を倒すまでに必要なターン数が同じ場合は、最後の攻撃で先制できるポケモンが勝つことになります。

ダメージの計算結果やポケモンの攻撃する順番に影響を与えるタイプの相性、HP、攻撃力、防御力、素早さなどの、
ポケモンバトルの基本知識をおさらいしながら、それぞれのポケモンが「できること」と「できないこと」を知りましょう。


■ タイプの相性

ポケモンには「」「」「」「電気」などいろいろなタイプ(属性)があり、それぞれに相性があります。
例えば、水タイプの技は炎タイプのポケモンに「こうかは ばつぐん」で通常の2倍のダメージを与えられたり、
水タイプの技は草タイプのポケモンに「こうかは いまひとつ」で通常の半分のダメージしか与えられなかったり、
地面タイプの攻撃技だと飛行タイプのポケモンに全くダメージを与えられなかったり…などと言ったように、
ポケモンバトルにおけるダメージの大小に大きく関わってくるところなのでタイプの相性は非常に大切です。
どのタイプにもこういった得意・不得意な属性が存在しているので以下の表を使って把握しておきましょう。

タイプ相性表

    物理攻撃
    防御側のポケモンのタイプ
    特殊攻撃







    ノーマル      ×        
    格闘  ×     
    飛行           
        ×       
    地面  ×       
              
            
    ゴースト×            
               
             
               
           
    電気   ×        
    エスパー            ×
             
    ドラゴン               
                

      :「こうかは ばつぐんだ!」(ダメージ2倍)
      :「こうかは いまひとつの ようだ!」(ダメージ1/2倍)
      ×:「こうかは ない みたいだ……」(ダメージ0倍)

    また、ポケモン自身の属性と同じ属性の攻撃技を使用した場合はダメージが1.5倍になります。

タイプに関連のある技や特性


■ HP(Hit Point)

HP(ヒットポイント)とはポケモンの体力を表す数値です。
ポケモンの技によってダメージを受けるとHPが減り、HPが0になると瀕死状態になり、戦うことができなくなります。
トレーナーとのポケモンバトルでは先に相手の手持ちのポケモンをすべて倒した(瀕死状態にさせた)方が勝ちになります。
HPが高ければ高いほど、HPに対するダメージの割合が小さくなり、後述の防御力も高いと耐久力(実質防御力)が更にあがる。

ポケモンにダメージを与える手段

ポケモンのHPを回復する手段

ポケモンのHPに関連のある技


■ 攻撃力・防御力

ポケモンが覚えることのできる攻撃技は「物理攻撃」と「特殊攻撃」と「変化技(補助技)」の3種類に分類されます。
そのうち物理攻撃のダメージは「こうげき(物理攻撃力)」と「ぼうぎょ(物理防御力)」のステータスで計算され、
特殊攻撃のダメージ()は「とくこう(撃力)」と「とくぼう(御力)」のステータスで計算されます。
(※注:赤・緑・青・ピカチュウ版の対戦では「とくこう」と「とくぼう」の両方が「とくしゅ」というステータスでまとめられていた。)

● 攻撃力
    「こうげき(物理攻撃力)」が高ければ高いほど、物理攻撃で与えられるダメージが大きくなります。
    「とくこう(特殊攻撃力)」が高ければ高いほど、特殊攻撃で与えられるダメージが大きくなります。

● 防御力
    「ぼうぎょ(物理防御力)」が高ければ高いほど、物理攻撃で受けるダメージを小さくできます。
    「とくぼう(特殊防御力)」が高ければ高いほど、特殊攻撃で受けるダメージを小さくできます。

攻撃力・防御力に関連のある技


■ 素早さ

自分のポケモンと相手のポケモンのどちらが先に行動できるか(技を繰り出せるか)は「すばやさ」という能力で決まります。
通常はこの「すばやさ」の能力値が相手よりも高ければ、先制で攻撃を仕掛けることができます(※同じの場合はランダム)

技の速度


素早いポケモンは遅いポケモンより行動機会が1回多い

    同じ3回の攻撃で相手を倒せるポケモンであっても、相手より素早いか遅いかで行動機会は変わります。
    「せんせいのツメ」の発動や「しんそく」などの先制技を考えない場合で相手より素早いポケモンであれば、
    戦闘の流れは「自分のポケモンの攻撃」⇒「相手のポケモンの攻撃」の順でターンがひたすら続きます。
    やがて、相手のポケモンが自分のポケモンの先手の攻撃で瀕死状態になります。

    …実はこの最後の部分がとても重要で、相手のポケモンを先手の攻撃で倒した場合は、
    相手側はそのターンにおいて、こちら側のポケモンにダメージを与えられないのです。
    よって、相手よりも素早いポケモンの場合は戦闘時の行動機会が相手よりも1回多くなるのだ。

素早さに関連のある技


■ 急所

ポケモンの運要素のひとつで、相手に攻撃技でダメージを与えるとき、希に攻撃が急所に命中してダメージが2倍になる。
(※「スナイパー」特性のポケモンの場合は急所に当たったときのダメージが4倍となる。)
また、急所ダメージの場合、相手側の「リフレクター」「ひかりのかべ」の効果を無視することができ、
自分の攻撃力ランクがマイナスの場合は … 自分側の攻撃力ランクを±0の状態として計算し、
相手の防御力ランクがプラスの場合は … 相手側の防御力ランクを±0の状態として計算される。

急所に命中する確率は、通常であれば、1/16の確率で急所に当たるが、
技や持ち物、特性の効果などによって急所発動率(急所ランク)が変動する。
    rank 急所発動率
    +4 1/2
    +3 1/3
    +2 1/4
    +1 1/8
    0 1/16

なお、「カブトアーマー」「シェルアーマー」の特性のポケモンは攻撃が急所に命中しない。

急所ランクに関連のある技・持ち物・特性


■ 命中判定

ポケモンの運要素のひとつで、相手に影響を与える攻撃技・補助技はそれぞれ命中するかどうかの判定がある。
命中しなければ、勿論ダメージは0。ダメージが与えられなければ相手を倒すまでに必要なターン数が変わってくる。

それぞれの技には命中率(技が相手に命中する確率)が設定されており、
また、ポケモン自身にも命中率と回避率が存在し、「すなかけ」や「かげぶんしん」などによって変動させられる。
命中判定は以下の手順で行われる。

命中判定の処理
  • 通常攻撃技の場合: 技の命中率×命中ランク(※自分の命中率ランク−相手の回避率ランク)×特性補正×持ち物補正
  • 一撃必殺技の場合: 技の命中率+自分のレベル−相手のレベル
ポケモンの技は古くから威力の高い技ほど、命中率を落としてバランスをとっている傾向にあるので、
火力のある技ばかりを揃えて命中率を無視すると、大事なところで攻撃を外して逆転されることもある。
特に自分の命中率を落とされたり、相手の回避率を上げる戦法に苦戦するので注意が必要である。

命中判定に影響を及ぼす技・持ち物・特性


■ PP(Power Point)

ポケモンの技は繰り出せる回数に制限がある。それを示すものがPP(パワーポイント)と呼ばれている。
技を使用するとPPが1減り、残りPPが0になると、PPを回復しない限り、戦闘中その技を繰り出せなくなる。

そのポケモンがPP切れなどにより、選択できる技が何もなくなったとき、「わるあがき」しか攻撃技を繰り出せなくなる。

PPに関連のある技・持ち物・特性


■ ダメージ計算式

これまでの「たたかう」のコマンドの復習でポケモンを戦わせてどうなるのか感覚が掴めたでしょうか?
本来ならば、行動を選択するときやパーティを構築するときに正確にダメージ計算できると望ましいです。
なお、正確なダメージの計算式は以下のようになります。

ダメージ計算式
  • ((攻撃側のレベル×2÷5+2)×技の威力×攻撃力÷防御力÷50+2)
  • 更にこの計算式で求めたダメージからランダム(乱数)でダメージが85%〜100%のいずれかになる。
  • この計算式にタイプ相性急所のダメージ補正がかかる。
ダメージ計算を筆算・暗算で行うのは面倒なので以下のサイトのツールを利用すると便利です。

また、このダメージ計算式を使って、ステータスの攻撃力・防御力よりも、
相手に与えるダメージ率がイメージしやすい実質的な攻撃力と防御力を求めることができます。

★ 実質攻撃力
    ダメージ計算式のレベル、技の威力などを考慮に入れた実質的な攻撃力。
    実質攻撃力 = (攻撃側のレベル×2÷5+2)×技の威力×攻撃力÷50)

★ 実質防御力(耐久力)
    HPを考慮に入れた実質的な防御力。一般に耐久力などとも呼ばれるもの。
    実質防御力を高めることは、HPに対するダメージの割合(ダメージ率)を小さくすることである。
    ダメージ率はダメージをHPで割り算すると求められ、以下のように式を変形していく…
      ダメージ率 = ダメージ÷HP
      ダメージ率 = (実質攻撃力÷防御力)÷HP
      (※ダメージ計算の最後の+2はダメージの変化量がとても小さいため、省略します。)
      ダメージ率 = 実質攻撃力÷(防御力×HP)
      ダメージ率 = 実質攻撃力÷実質防御力

    ダメージ率が小さくなるようにするには、HP×防御力が高くなることであり、これを実質防御力と呼ぶ。

また、ダメージ計算において自分と戦う相手のポケモンがどういったポケモンなのかを知る必要もあります。
493匹すべてのポケモンのタイプ、特性、覚える技などを把握するのは難しいですが、できれば覚えておきたい。
各ポケモンの覚えられる技やタイプ・特性などは以下の手段を使って参照すると良いでしょう。
  • POKeDEX:250 (⇒「新ポケモン図鑑」)
  • 「ポケットモンスター」シリーズの攻略本(全国図鑑版)

■ 強いポケモン

それぞれのポケモンが得意とするポケモンの多さを比較するといわゆる『強いポケモン』と言うのが見えてくる。
強いポケモンとは、1対1で有利に戦えるポケモンが多く、交代で背中を向けることの少ないポケモンのことを指す。
(弱いポケモンとはこの逆の意味であり、マイナーポケモンなどと呼ばれることがある。)

また、ポケモンの強さには2種類あり、流行りに影響を受けるものと受けないものがある。
対戦の環境に影響を与える絶対的な強さ、対戦の環境に影響を受ける相対的な強さの2種類がある。
絶対的な強さを持つポケモンが何匹かいた上で、それらに対して強いポケモンが相対的な強さを持つポケモンである。

おまけ:強いポケモンと弱いポケモン@よくあるトラブル

    < 「(好きなポケモン使ったけど)俺が負けたのは俺のポケモンが弱いからだ!」

    < 「強いポケモン、弱いポケモン、そんなの人の勝手。
         本当に強いトレーナーなら好きなポケモンで勝てるように頑張るべき」


    < 「ポケモンの可能性を引き出すのはポケモントレーナー。
         ポケモンを負けたときの言い訳にするにはちよっと格好悪いよ。」

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