パーティ構築概論 for Nintendo Cup 2000

last up date : 2015/01/01(Thu)

■ はじめに

ポケモントレーナーの対戦中における目的は「勝つこと(英:Victory)」である。
では、勝てる試合運びを演出するためにパーティに組み込むポケモンとポケモンの間にどのようなものが求められているのか。
それに関して長きに渡り培ったPBSでの実践経験やパーティ鑑定経験を元に古巣の第二世代のみ、このコンテンツを用意した。

基本的な1対1、交代が絡んだ2対2、選出も絡む3対3でそれぞれ有利に立ち回るために必要なものさしを自分なりにまとめた。
既にポケモントレーナーとしてもパーティ鑑定士としても現役から離れつつあるが、構築の参考にして頂ければ幸いである。

  1. 1対1のポケモンバトル〜 対面で勝つ! 〜
  2. 2対2のポケモンバトル〜 受けで勝つ! 〜
  3. 3対3のポケモンバトル〜 選出で勝つ! 〜

■ 1対1のポケモンバトル

1対1の強さとは、単純に体力満タンの状態同士で有利に戦えるポケモンの種類の多さで決まるポケモンの絶対的な強さです。
対峙したポケモンより少ないターン数で倒せれば有利となり、両方とも同じ回数が必要な場合は先攻のポケモンが有利になる。

1対1における有利
  • 先攻の場合:相手が自分を倒すまでの必要ターン数 自分が相手を倒すまでの必要ターン数
  • 後攻の場合:相手が自分を倒すまでの必要ターン数 > 自分が相手を倒すまでの必要ターン数

対面しているポケモンとの1対1の行く末を知ることは、試合中のコマンド選択にあたって最初の大事な判断材料となる。
相手よりも素早く少ないターン数で勝つためにはステータスの仕組みターンの仕組み技の仕組みを十分に理解した上で、
相手より先攻を取る、相手より大きなダメージを与える、相手の攻撃技自体を回避するなどをして有利な対面を心がけたい。

相打ちを狙う技(じばく・だいばくはつ / みちづれ)

    「じばく」「だいばくはつ」で相手を倒した場合や「みちづれ」を成功させた場合は引き分け(共倒れ)となる。

    能動的な引き分け
    技名威力命中率PP効果
    だいばくはつ250100%5この技を使用したポケモンは瀕死状態になる。また、攻撃技を選択したターンのみ、このポケモンの攻撃対象となるポケモンの物理防御力を半分にして計算する。
    じばく200100%5
    受動的な引き分け
    技名属性命中率PP効果
    みちづれ-5自分が攻撃技のダメージで瀕死になると相手も瀕死になる。
    相打ちなので有利ではないものの、不利な相手に対して背中を向けることが少なくなる

    また、このほかにも以下の要因で引き分け(共倒れ)になることがあります。
    • 「すてみタックル」「とっしん」「じごくぐるま」で相手を瀕死にし、反動ダメージで自分も倒れる
    • 滅びの歌のカウントが同時に0となる
    • 砂嵐のダメージで同時に体力が0になる
    • 両者共倒れ後に死に出しした両者のポケモンが撒きびしを踏んで同時に体力が0になる。
    なお、任天堂が定めた公式ルールでは、
    自分の戦える手持ちが1匹のときに「じばく」「だいばくはつ」「みちづれ」「ほろびのうた」を使用すると失格となる
    (※「ポケモンスタジアム金銀」及び「Pokemon Battle Simulator」では戦える手持ちが1匹の場合は「みちづれ」「ほろびのうた」自体が失敗します)

    また、「ポケモンスタジアム金銀」では「すてみタックル」の反動で共倒れになった場合は攻撃側の勝利となります。

不利対面を覆す技 (カウンター・ミラーコート)

    相手から受けた攻撃技のダメージの2倍の固定ダメージを与えることで不利対面と見える場面を覆すことができる。
    ただし、物理攻撃力特殊攻撃力の能力ランクアップから1発で倒されたり、身代わりを盾にされた場合は覆らない。
    技名属性命中率PP効果
    カウンター必中20コマンドを選択したターンに受けた物理攻撃技のダメージを倍返しにする(※なお、GBの通信対戦のみ、「じわれ」「つのドリル」は命中しなかった場合でも命中した場合の2倍のダメージを返すことができる)【優先度 -1】
    技名属性命中率PP効果
    ミラーコート必中20コマンドを選択したターンに受けた特殊攻撃技のダメージを倍返しにする。 【優先度 -1】
    「カウンター」は物理攻撃技で発生するダメージ、「ミラーコート」は特殊攻撃技で発生するダメージが対象となる。
    なお、めざめるパワー」の分類は「ノーマル」で物理攻撃技なので中身の属性に関わらず「カウンター」で返せる
    また、変化技の「オウムがえし」「ゆびをふる」「ねごと」で繰り出した攻撃技に関してはどちらの対象にもならない
    (※ちなみにPBSでは「ころがる」「あばれる」「げきりん」「はなびらのまい」の1発目を受けたポケモンでなければ、それ以降の攻撃を返せない)

    このほかに技の種類は選ばないが、発動に2〜3ターン(※PBSでは1〜2ターン)かかる「がまん」などもある。

■ 2対2のポケモンバトル

251種類のすべてのポケモンに1対1で勝てるポケモンはタイプ相性システムにより存在せず、必ず不利な対面が訪れる。
そんなとき、ターンの選択肢として《(わざを選んで)たたかう》の他に《(別の)ポケモン(に入れ替える)》がある。

そもそも不利対面で敵に背中を向けて一方的にダメージを受けるというリスクを負ってまで入れ替える必要はあるのだろうか?
対峙したポケモンが不利な場合は、自分のポケモンを捨てて、健康なポケモンをノーダメージで交代させた方が良いだろうか?
ポケモンの交代には大きく分けてこのように2種類あり、前者の交代は受け出し、後者の交代は捨て出しと筆者は呼んでいる。

受け出しを選択することの重要性を理解するために受け出しの選択肢をお互い選べないものと仮定して考えると理解が進む
捨て出しのみならば、相手のポケモンが場に残っているとき、確実に有利なポケモンを場に対峙させることができるため、
受け出しが完全に封じられると0ターン目に登場する先鋒のポケモンで有利対面となったトレーナーが圧倒的に有利になる。
これを解消するゲームシステムこそが受け出しなのである。

受け出しを機能させるには、受け出ししたターンに殴られた体力からでも殴られたポケモンに当然殴り勝てる必要がある。

2対2における有利な受け出し
  • 先攻の場合:相手が自分を倒すまでの必要ターン数 自分が相手を倒すまでの必要ターン数+(受け出しターン)
  • 後攻の場合:相手が自分を倒すまでの必要ターン数 > 自分が相手を倒すまでの必要ターン数+(受け出しターン)

また、捨て出しを機能させるには、後続のポケモンが捨て出しで犠牲になったポケモン分の仕事数をこなせる必要がある。

2対2における有利な捨て出し(※「りゅうのまい」「ちょうのまい」などが登場する後の世代以降が主流)
  • 捨て出しで召喚される側の後続のポケモンが2匹以上のポケモンを倒す(※相打ち除く)
  • (※なお、捨て出しするために居座ってみたが、相手が敢えて倒さず「のろい」などを積まれて後続でも手に負えなくなったなんてことに注意)

これらのポケモンの交代の前後関係を理解した上で、2匹目以降のポケモン、すなわち入れ替え先を決めていきたい。
パーティの1匹目とそれが不利な場合の入れ替え先として用意される3匹までの組み合わせは基本選出などとも呼ばれる。

また、お互いに受け出し同士の試合(サイクル戦)になるときは、何回受け出しできるのかが勝敗を分けるポイントとなる。
公式ルールで戦闘に参加できる3匹のポケモンのうち、受け出しできる回数が少ないポケモンから戦線を離脱することとなり、
戦線から脱落したポケモンが担当していた受けの対象となるポケモンを他のポケモンで処理できないとき、勝負を落とす。

なお、何回受け出しできるかを競うサイクル戦のことをダメージレースとも呼ばれ、それは選出の判断材料にもつながる。
サイクル戦においては相手の選出した手持ちが自分の選出した手持ちより受け回しできる回数が少なければ、有利となる。
1対1の対面からでは勝てないものの受け出しのターンに行動不能にする眠りや凍りなどを仕掛けることができれば倒せる
交代時にダメージを受ける撒きびし受け出し時のダメージを増やして受け出しできる回数を減らすなどの圧力をかけたい。

また、逆に「ねむる」などの体力回復技をサイクル戦の中で使うことで自身の受け出しできる回数を延ばすこともできる
特に短期戦で試合を決することができないと想定される場合は体力回復技も以下の条件を守って使えば採用の決め手となる。
    技名属性命中率PP効果
    ねむる-10体力と麻痺火傷状態を全回復し、目覚めるまでの消費ターンが3の眠り状態になる。
    じこさいせい-20最大HPの1/2の体力を回復する。
    タマゴうみ-10最大HPの1/2の体力を回復する。
    ミルクのみ-10最大HPの1/2の体力を回復する。
    あさのひざし-5最大HPの1/2の体力を回復する。天候によって回復量が変化し、快晴のときは2倍、大雨・砂嵐のときは1/2倍になる。
    こうごうせい-5最大HPの1/2の体力を回復する。天候によって回復量が変化し、快晴のときは2倍、大雨・砂嵐のときは1/2倍になる。
    つきのひかり-5最大HPの1/2の体力を回復する。天候によって回復量が変化し、快晴のときは2倍、大雨・砂嵐のときは1/2倍になる。
体力回復技の有効化
  • 「ねむる」(最大HPの1/1回復)の場合:受け出し時に最大HPの1/4のダメージを超える場合は回復する意味がない。
    1. 「ねむる」を使用して最大HPの1/1を回復(眠りの消費:0→3) (←全体のターン終了時に「はっかのみ」「きせきのみ」が発動)
    2. ぐうぐう ねむっている(眠りの消費:3→2)
    3. ぐうぐう ねむっている(眠りの消費:2→1)
    4. 目覚めて技を使用する(眠りの消費:1→0) (←ぐうぐう ねむっている ターンに「ねごと」で反撃できるなら不要)

  • 「ねむる」以外(最大HPの1/2回復)の場合:受け出し時に最大HPの1/2のダメージを超える場合は回復する意味がない。

WARNING! : 受けの対象より後攻の場合の「ねむる」は更に1ターン耐える必要がある
ここで有効な受け出しの定義を振り返ろう。先攻の場合と後攻の場合とでは微妙に条件が違っていた。
  • 先攻の場合:相手が自分を倒すまでの必要ターン数 自分が相手を倒すまでの必要ターン数+(受け出しターン)
  • 後攻の場合:相手が自分を倒すまでの必要ターン数 > 自分が相手を倒すまでの必要ターン数+(受け出しターン)
有利な受け出しとなるための最低限の条件は、先攻を取れる場合と後攻となる場合とでは、1ターン分差があった
これは受け出しをしながら「ねむる」で回復する場合も、先攻と後攻によって以下のように1ターン分差が出る

(ex. 4発耐えて5発目で倒れるポケモンの受け出しを加味した「ねむる」の流れ
    1. 受け出しする(眠りの消費:3) → ダメージを受ける
    2. ぐうぐう ねむっている(眠りの消費:3→2)(※この間もダメージを受ける。自分が先攻ならこの後、後攻ならこの前)
    3. ぐうぐう ねむっている(眠りの消費:2→1)(〃)
    4. 目覚めて技を使用する(眠りの消費:1→0)(〃)
    5. ここで「ねむる」を使用できるか否か? → こちらが先攻なら可、こちらが後攻なら不可。
    6. 4発目を受けるターンで使用する技を「ねむる」にして敵のPPを枯渇する手もありますが、急所待ちになって崩れます(^^;

技による自分側の交代(バトンタッチ)


技による相手側の交代(ふきとばし・ほえる)

    技名属性命中率PP効果
    ふきとばし100%20相手のポケモンを強制的に入れ替える。繰り出されるポケモンはランダム。ただし、後攻で繰り出せないときや相手側に控えのポケモンがいないときは技が失敗する。また、相手が空を飛ぶ状態のときでも命中する。優先度 -1
    ほえる100%20相手のポケモンを強制的に入れ替える。繰り出されるポケモンはランダム。ただし、後攻で繰り出せないときや相手側に控えのポケモンがいないときは技が失敗する。【優先度 -1
    なんと、親切に(?)自分のターンをわざわざ消費して相手のポケモンをノーダメージ交代させてくれる技(^^;
    (※ただし、既に撒きびしが撒かれていたり、砂嵐が持続中だとノーダメージ…というわけにはいかず、最大HPの1/8の定数ダメージをそれぞれ受けます)
    主な使用用途は上述の状態変化&「バトンタッチ」などの場に居座る必要のあるコンボを封じる技として使われる。
    ただし、「ふきとばし」を同時に打ち合った結果、先攻で繰り出された場合や入れ替え先がいなければ失敗する
    これを逆手にとって相手の「ふきとばし」「ほえる」を一方的に封じてしまうといったような立ち回りも取れる。
    (※なお、技の優先度は眠り・凍り・ひるみ・混乱・メロメロ・麻痺などの行動不能に関わらず、技を選択した瞬間にその優先度に従って行動します)

受け出しを捨て出しに変更(おいうち)

    技名属性命中率PP効果
    おいうち40100%20攻撃対象のポケモンを場から引っ込めようとしたとき、ダメージが2倍になり、交代前のポケモンにダメージを与えられる。(※PBSのみ先制の「バトンタッチ」で交代した場合も交代後のポケモンに「おいうち」のダメージが2倍になる。)
    受け出しを選択したターンに「おいうち」を使われてしまうと入れ替える前のポケモンがダメージを受けてしまう
    悪属性の攻撃技で威力40だが、入れ替え時はダメージが2倍。悪弱点のエスパーやゴーストを狩る技として使われる。

リスクとリターンを考慮した技選び

    ターンの仕組みにある通りだが、ポケモンの行動選択は9通り。また、任天堂の定めた公式ルールでは6通りとなる。
    大きく分けると上記で解説した通り、場に居座ってたたかうを選ぶか、ポケモンの入れ替えを選ぶかの2通りになる。

    サイクル戦で自分が有利対面となるとき、相手が受け出しすることを前提としたコマンド選択交代読みと呼ぶ。
    例えば、電気ポケモンのエレブーと水ポケモンのスターミーの対面で前者がタイプ相性の関係で有利対面の時に、
    スターミーを居座らせてきた場合に2倍のダメージを与えられる「10まんボルト」や「かみなり」を敢えて選ばず、
    受け出しで繰り出すであろう電気抵抗のある地面・草・ドラゴンポケモンに有効な「れいとうパンチ」を選んだり、
    特殊耐久力が高く、「じしん」でエレブーに強いカビゴンに効く「クロスチョップ」を選ぶなどがそれに当たる。

    しかし、その希望的観測に添わず、交代読みを読まれて居座ってきた場合どうなるのかをしっかりと考えておきたい。
    「れいとうパンチ」や「クロスチョップ」はスターミーの水とエスパータイプによりともに半減されるようになり、
    相手のタイプ一致かつタイプ相性等倍の「ハイドロポンプ」で大きなダメージを負ってその後の展開が不利になる。

    このように有利対面のコマンド選択においても、居座ってきたときはどうなる退いてきたときはどうなる
    それぞれの行末について考えを巡らし、そのリスクとリターンを測った上でコマンド選択することを心がけたい。

    例えば、エレブーが有利対面になるポケモンが、スターミー、ヤドラン、ヤドキングなどの水ポケモンではなく、
    飛行ポケモンで攻撃技が「ドリルくちばし」のみのエアームドの場合は場に居座ってきたときのリスクも小さい。
    この場合は、ただの交代読みに終止せず、居座った場合でも退いた場合でもリスクが小さい安定した選択肢となる。

    また、居座ってきても、退いてきたときも一貫してリターンが大きいと考えられる技を積極的に採用していきたい。
    これらの技に該当するのは、ルール制限はあれど「ねむりごな」などの眠らせる効果のある技などがそれにあたる。

    対戦に慣れて交代読みを華麗に使いこなせるようになったかなと勘違いしだす中級者はこれまで何人も見かけたが、
    対戦の目的は無闇に交代読みを決めることではなく、「相手が右を選んでも左を選んでも詰ます=勝つ」ことである。

■ 3対3のポケモンバトル

パーティのポケモンは6匹だが、公式ルールでは戦闘に参加できる手持ちは3匹。お互いの6匹を見せ合って3匹を選出する。
6匹で参加資格のあるポケモンをすべて対策できたとしても、選出した手持ち3匹でそれをこなせなければ意味がないのだ。
(そもそも、たったの3匹で参加資格のあるポケモンを後ろ向きに対策しようとするのはポケモンがシリーズ毎に増え続けるため、非常に困難となっている)

ポケモンバトルの経験を積むとある特定の3匹の組み合わせで選出されると勝てないという壁にぶち当たることがある。
勿論、対戦経験に関わらずパーティの3匹目(いわゆる基本選出)までを決めた段階で3匹が困る敵に強い4匹目を考えるが、
ここでは味方3匹が困る特定の1匹ではなく味方3匹が困る特定の3匹の組み合わせを成立させないことも同時に意識したい。

3対3の発想転換
  • 2対2の発想:ポケモンaに1対1で不利なので入れ替え先となるポケモンAを入れる
  • 3対3の発想:ポケモンa・ポケモンb・ポケモンcに3対3で不利なのでその選出に刺せるポケモンAを入れる

1対13対3の強さの比較
  • 1対1の強さ:ポケモンの絶対的な強さ …(1対1で勝てるポケモンが多い)
  • 3対3の強さ:ポケモンの相対的な強さ …(特定の3匹の組み合わせに強い)

これは例えば、これまでは草ポケモンは炎ポケモンに対面で負けるので、入れ替え先に水ポケモンを用意するのではなく、
草ポケモンの選出が無駄になる(炎ポケモン3匹選出)という選出への保険として水ポケモンを用意するといった発想だ。

このような発想でパーティの4匹目以降のポケモンを組むことで、一方的に選出で困るということがかなり少なくなる
具体的に言うならば、あるポケモンを選出してみたが、相手の手持ち3匹に全て弱く腐るといった選出を大幅に避けられる。

「相手は選出で困らないが、自分は選出で困る」… はっきり言ってこの時点で負けは半分以上見えている。
ならば、相手にも思う存分困らせてしまえ! 攻撃は最大の防御! 後ろ向きな戦い方に固執してはならない
    そもそも1対1の対面性能が高く、入れ替えを必要とするケースが少なければ、
    2対2の受け性能を意識した入れ替え先などたくさん用意する必要はないのだから。

役割の管理

    パーティや選出における採用基準のことをポケモンの役割と呼ばれ、その管理が実戦では極めて重要になる。
    戦闘中は、選出した他の手持ちで代価の効かない役割がある場合は、それを果たすまで瀕死になってはならない

    特に対面性能受け性能が高く幅広く有利に戦えるポケモンは、出番も多く、選出しやすいので非常に重宝されるが、
    結果が引き分けとなる「じばく」「だいばくはつ」「みちづれ」に関しては使う側も受ける側もその管理に注意したい

    また、自分側の不利対面を覆すために敢えて大ダメージを負ってしまう「カウンター」や「ミラーコート」などや、
    相手側からの一時的な仮死状態とも言うべき行動不能を余儀なくされる状態異常の眠り凍りなどもそうであるが、
    残りHP・健康状態で本来その駒で戦わなければならなかった敵との交戦を実行できるかどうかを考えておきたい。

    選出時は選出した手持ちがそれぞれ誰と戦わせなければならないのか確認し、試合中も失念しないように心がけたい。
    特に眠り凍りも任天堂の公式ルールにより2匹以上のポケモンを相手の技によって眠り凍り状態にはできないので、
    誰を眠らせるのか、誰なら凍っても良いのかを試合中も確認し、それに基づくパーティ構築も時に必要となるだろう。

理想的な展開の演出

    これまでは各場面毎のアドバンテージを取るための話だったが、少し具体的なパーティや試合展開の構築の話に入る。
    パーティのコンセプトを決めるにあたりどの勝ち筋を選ぶか。選出している手持ちにおいて試合中どの勝ち筋を選ぶか。
    まず、勝ち筋を選ぶ前に可能ならば取れる勝ち筋は多く、味方1匹で突破の必要な敵は敵3匹のうち1匹が理想である。
    要するに自分の手持ち3匹が相手の手持ち3匹にそれぞれ2匹以上強く、あと1匹だけ崩せば勝てる選出が理想系になる。
    ただし、これはサイクル戦が前提で、1匹のポケモンが場に居座って全抜きできる状況が整えば、この限りではない。

    第二世代の対戦で取れる代表的な勝ち筋(展開手段)を以下に整理したのでパーティ構築時の参考にして欲しい。
    なお、ここ挙げた技や状態の効果によって展開するためのヒントは各リンク先に解説があるのでここでは割愛する。
    • 一撃必殺技を命中させて崩す
      • じわれ・つのドリル・ハサミギロチン
    • 相手を行動不能にして崩す
    • 相手を交換不能にして崩す
      • 黒い眼差し(→バトンタッチ / →滅びの歌 → 守る→眠る→入れ替え)
      • 締め付ける(→滅びの歌 → 守る→眠る→入れ替え)
      • おいうち
    • 自分の攻撃技を強化して崩す
    • 攻撃技&追加ダメージで崩す
    • 相打ち→相打ち→有利対面で勝つ
      1. 相打ち狙い:じばく・だいばくはつ / みちづれ
      2. 不利を覆す:カウンター・ミラーコート
    • 【最終手段】PP消耗戦 / 判定勝ち(Time Over Death / Turn Over Death)で勝つ
      • PP消耗戦「ねむる」の眠りの行動不能などで「ねごと」を封印するなどしてPPを節約する立ち回りが重要
      • 残りの瀕死以外の手持ちの数>残りの体力合計による判定
        • 時間制限:ポケモンスタジアム金銀
        • ターン制限:PBS制限ターン-1がタイトルに載るとき最後の入力。最後で「ねむる」場合は-2ターン以内に使ってはいけない

コストとパフォーマンスを意識したレベル選び

    ポケモン第二世代のスタンダードルール「ニンテンドウカップ2000」ではレベル配分ルールが採用されている。
    (※なお、「ニンテンドウカップ2000」では持ち物も同じく別々に振り分けなければならない。これらのヒントについては持ち物のページを参照)
    具体的にはレベル50〜カイリュー、バンギラスにちょうど進化するレベル55までのポケモンを参加できるものの、
    戦闘で選出する3匹の合計レベルが155以下でなければならないという制限が設けられているといったルールである。
    (※ポケモン第三世代以降の努力値配分システム、第六世代以降のメガシンカシステムに代わるパーティに個性を与える任天堂考案のジーニアスルール)

    相手よりレベルの差を離すと離さないとでは、そのポケモンの持てる対面性能受け性能も大きく変わることがある。
    また、レベルは単純な物理攻撃力特殊攻撃力のアップに留まらず、攻撃側レベルダメージ計算にも影響する。

    各レベルの特徴
    基準Lv.レベルボーナス
    (レベル×2÷5+2)
    特徴
    5524 ・最高レベル
    ・レベル50の1.1倍の実数値になる(火力・耐久ともに約1.2倍)
    5423レベルを食うわりにあまり恩恵が少ない(^^;
    5323これ以上のレベルは2匹選出不可だが、火力が大きく向上する
    52222匹まで選出できる
    素早さ種族値が自分よりも高いレベル50に先制できることが多い
    素早さ種族値が自分よりも低いレベル55に先制できることが多い
    低5122・最低レベルのレベル50に先制できる
    5022・最低レベル
    種族値+51でHP以外、更に+55でHPの実数値が簡易計算できる。

    また、レベルを設定するときは、レベルの配分次第では選出できない組み合わせを相手に露出するので注意したい。
    (※55-55-55-55-50-50 / 51-52-52-52-52-52 などにすると確実に選出するポケモンがわかってしまうため、相手が取りやすい勝ち筋を絞りやすくなる)
    なお、対戦中も選出できない組み合わせは留意しておき、相手の手持ち次第で試合の展開の仕方を決めるようにしたい。

    最後に「ニンテンドウカップ2000」において人気のあるレベル配分の簡単な特徴とサンプルを以下にまとめた。

    バランス 》:(特に素早さ面で)全体的な対面性能受け性能を向上させ、どこからでも展開することを目指す
    Lv ポケモン性別技1技2技3技4持ち物
    51ナッシーサイコキネシスねむりごなしびれごなだいばくはつおうごんのみ
    52ミルタンクかげぶんしんまるくなるころがるミルクのみひかりのこな
    51ガラガラ ホネブーメランいわなだれめざめるパワーつるぎのまいふといホネ
    51スターミー なみのりでんじはあやしいひかりみがわりたべのこし
    52カビゴンおんがえしだいもんじじばくねむるはっかのみ
    52ブラッキーおいうちくろいまなざしバトンタッチつきのひかりきせきのみ

    シングルエース 》:圧倒的な対面性能受け性能を誇るエースを軸に取り巻きで不測の事態を処理していく
    Lv ポケモン性別技1技2技3技4持ち物
    55カビゴンすてみタックルのろいねごとねむるたべのこし
    50スターミー ハイドロポンプでんじはリフレクターじこさいせいきせきのみ
    50ヘルガーだいもんじかみくだくおいうちほえるきのみジュース
    50エアームドドリルくちばしふきとばしどくどくねむるはっかのみ
    50ガラガラじしんいわなだれだいもんじつるぎのまいふといホネ
    50ムウマでんじほうくろいまなざしほろびのうたみちづれおうごんのみ

    ダブルエース 》:エース間で他で代価の効かない役割をそれぞれに与えず、相手によって有利な展開方法を選ぶ
    Lv ポケモン性別技1技2技3技4持ち物
    55ファイヤー だいもんじめざめるパワーにほんばれこうそくいどうまひなおしのみ
    55リザードンだいもんじじしんいわなだれはらだいこきせきのみ
    50ハガネールじしんほえるにほんばれだいばくはつみずたまリボン
    50マルマイン 10まんボルトリフレクターひかりのかべだいばくはつはっかのみ
    50ナッシーサイコキネシスめざめるパワーねむりごなだいばくはつおうごんのみ
    50カビゴンのしかかりじしんのろいじばくたべのこし

    トリプルエース 》:引き分け→引き分け→有利対面を理想とし、選出からラスト1匹の対面まで相手を悩ませる
    Lv ポケモン性別技1技2技3技4持ち物
    55ガラガラホネブーメランいわなだれめざめるパワーつるぎのまいふといホネ
    55ケンタロスすてみタックルじしんだいもんじはかいこうせんはかいのいでんし
    55サンダー 10まんボルトめざめるパワーふきとばしねむるはっかのみ
    50パルシェンれいとうビームまきびしのろいだいばくはつまひなおしのみ
    50カビゴンのしかかりじしんのろいじばくたべのこし
    50マルマイン10まんボルトひかりのかべリフレクターだいばくはつきせきのみ