技の仕組み

last up date : 2016/08/17(Wed)

■ はじめに

技を繰り出し、ダメージが計算され、命中判定があり、追加効果が発生するまでの流れをまとめました。
  1. 技を繰り出せるかどうかの判定
  2. PPの判定
  3. 命中判定
  4. ダメージ計算
  5. 追加効果の判定

■ 技を繰り出せるかどうかの判定

そもそもの技自体が繰り出せるかどうかの判定があります。主に眠りや混乱などで動けないなどがそれにあたります。
  1. 眠り凍り
  2. 締め付ける
  3. ひるみ
  4. 「はかいこうせん」の反動
  5. 金縛り
  6. 混乱
  7. 麻痺
技を繰り出せるかどうかの判定は以上の優先順位で動けるかどうかの判定が行われます。
なお、眠りと混乱に関しては、この判定の直前に状態から解けるまでのターンが消費されます。
特に混乱は判定順が先の眠りや凍りで動けないと混乱の判定が行われないことに注意が必要です。
その他にもゲーム中ではバッジ未所持で「命令を聞かない」などがありますが、通信対戦では無関係なので割愛します(^^;

■ PPの判定

技を繰り出せるようであれば、コマンド選択した技を繰り出す前に技のPP(パワーポイント)を消費します。
技を使用するとPPが1減り、残りPPが0になると、PPを回復しない限り、戦闘中その技を繰り出せなくなります。

なお、以下の複数のターンを必要とする技は2ターン技を除き、自らコマンド選択をしたターンのみPPを消費します。
ちなみにGB同士の通信対戦のみ、これらの技を使用してPPが0になるとき、PPがアンダーフローするバグがあります。
  • あなをほる(2ターン)(※PPの消費は2ターン目)
  • そらをとぶ(2ターン)(※PPの消費は2ターン目)
  • ゴッドバード・ソーラービーム・かまいたち(2ターン)(※PPの消費は2ターン目)
  • がまん(2〜3ターン)
  • あばれる・はなびらのまい(3〜4ターン)
  • いかり(瀕死になるまで)

■ 命中判定

PPの判定が済んだら、今度はポケモンの技が命中するかしないかの判定になります。
命中判定は、1〜255の乱数を生成し、以下の計算式で求められる最終的な命中率以下であれば命中する。
    技の種類計算式
    通常攻撃技技の命中率×(攻撃側の命中率ランク÷防御側の回避率ランク
    (※かけ算・割り算をするとき、小数点以下が出たときに小数点以下を切り捨てにする)
なお、「がまん」、「ポケモンスタジアム2」の「スピードスター」は命中判定に関係なくず技が命します。
また、技リストの命中率が指定されていないものに関しては、身を潜めているポケモン以外には必中となります。

【 重要 】正確な命中率

    「ポケモンスタジアム」の技データで公開されてる技の命中率は以下が正確な数値となる。
    資料室の確率正確な命中率概算該当する要素
    100%255/25699.6%「じしん」「10まんボルト」「サイコキネシス」の命中率
    95%242/25694.5%「はっぱカッター」の命中率
    90%229/25689.4%「ふぶき」「はかいこうせん」「いわなだれ」の命中率
    85%216/25684.4%「だいもんじ」「どくどく」の命中率
    80%204/25679.7%「ハイドロポンプ」の命中率
    75%191/25674.6%「あくまのキッス」「ねむりごな」「しびれごな」の命中率
    70%178/25669.5%「かみなり」の命中率
    60%153/25659.8%「さいみんじゅつ」の命中率
    55%140/25654.7%「うたう」「かなしばり」の命中率
    40%102/25639.8%「ヘドロこうげき」の追加効果
    30%76/25629.7%一撃必殺技の命中率・「ふぶき」「のしかかり」の追加効果
    20%51/25619.9%「かみくだく」「シャドーボール」「トライアタック」の追加効果
    10%26/2569.8%ポケモンスタジアムの「ふぶき」の追加効果

【 例外 】連続攻撃技の場合

    1ターンに2回以上連続で攻撃する技は最初の1発目のみ命中判定があり、以下の成功率によって当たる回数が決定します。
    • 2回連続:100%(2発目)
    • 2〜5回連続:37.5%(2発目・3発目)・12.5%(4発目・5発目)
    なお、1発目の攻撃で身代わりを倒したときはその場で攻撃が中断されます

■ ダメージの計算

ポケモンのダメージ計算は大きく以下のブロックに分けられています。
  1. ダメージ本体
  2. 定数項+2
  3. タイプ一致
  4. タイプ相性
  5. ランダム化

(1)ダメージ本体の計算

    ダメージ本体の計算式に関しては、ポケモン第二世代以降と変更されていません。
    技の種類計算式(※下の計算式はExcel計算用の正確な計算式です)
    物理攻撃技技の威力×(レベル×2÷5+2)×物理攻撃力÷防御側の物理防御力÷50
    (※かけ算・割り算をするとき、小数点以下が出たときに小数点以下を切り捨てにする)
     =int(int((技の威力×int((レベル×2)/5)+2)×物理攻撃力/物理防御力)/50)
    特殊攻撃技技の威力×(レベル×2÷5+2)×特殊攻撃力÷防御側の特殊防御力÷50
    (※かけ算・割り算をするとき、小数点以下が出たときに小数点以下を切り捨てにする)
     =int(int((技の威力×int((レベル×2)/5)+2)×特殊攻撃力/特殊防御力)/50)

    ダメージ本体の計算には… …を用います。
    なお、攻撃力若しくは防御力の値が255を超える場合はお互いのステータスを1/4倍して計算します。

    これでポケモンのレベルとステータスと技の威力を用いた基本の計算は終了になります。

    また、攻撃力防御力には以下のような補正がかかります。
    ただし、GBの通信対戦でのみ、以下の補正により攻撃力防御力1024を超えるとオーバーフローして-1024される
    • レベル
      1. 急所能力変化リフレクター光の壁火傷の補正を無視して2倍)
        • 攻撃技が急所に当たる確率はポケモンの素早さ種族値気合溜めの有無によって以下のように決まる
          気合溜めコロシアム計算式ポケモンスタジアム2計算式
          素早さ種族値)/512 素早さ種族値 +76)/1024
          素早さ種族値)/2048 素早さ種族値 +236)/512
          更に「からてチョップ」「きりさく」「クラブハンマー」「はっぱカッター」使用時は発動率を8倍にする。
          ただし、計算した結果、急所発動率が255/256を超える場合は、255/256(約99.6%)になる。
    • 攻撃力(※技が急所にあたる場合はこれらの補正処理を無視される)
      1. 能力変化 (※GB・VC版のみ、初期値に対する補正)
      2. 火傷(1/2倍)(※GB・VC版のみ、相手の技で誰かしらの能力変化が起こったとき、自分側に再計算される)
      3. バッジ補正(※経験値の獲得できる戦闘のみ)
        • グレーバッジ  :ステータス現在値の変化が行われる度に物理攻撃力を9/8倍)
        • クリムゾンバッジ:ステータス現在値の変化が行われる度に特殊攻撃力を9/8倍)
    • 防御力(※技が急所にあたる場合はこれらの補正処理を無視される)
      1. 能力変化 (※GB・VC版のみ、初期値に対する補正)
      2. バッジ補正
        • オレンジバッジ :ステータス現在値の変化が行われる度に物理防御力を9/8倍)
        • クリムゾンバッジ:ステータス現在値の変化が行われる度に特殊攻撃力を9/8倍)
      3. リフレクターひかりのかべ (2倍)
      4. じばく・だいばくはつ(0.5倍)

(2)定数項+2

    ダメージ本体のブロックの計算終了後、997を超える場合は997に変換し、最後に+2します(MAX:999)。
    「ダメージ本体」と「+2」を離して考えておくと何かと便利です(^^;

    なお、ダメージ本体に+2をした後で以下の処理が行われます。

(3)タイプ一致

    攻撃側のポケモンのタイプと技のタイプが同じ場合はランダム化まで考慮したダメージが1.5倍になります。

(4)タイプ相性

    攻撃側の技のタイプと防御側のポケモンのタイプの相性によって以下のようにダメージが変わります。

    タイプ相性表(初版)
    リストの記号ダメージの倍率メッセージ
    2倍「こうかは ばつぐんだ!」
    1/2倍「こうかは いまひとつの ようだ!」
    ×0倍「こうかは ない みたいだ……」
      物理攻撃
      防御側のポケモンのタイプ
      特殊攻撃







      ノーマル      ×       
      格闘  ×     
      飛行          
               
      地面  ×      
               
              
      ゴースト×          ×  
              
               
            
      電気   ×      
      エスパー            
               
      ドラゴン              

    なお、ダメージ計算を行わない変化技に対してもそれぞれ技のタイプが設定されていますが、
    タイプ相性表とは関係なく、変化技の効果として効かないタイプがそれぞれ設定されています。
    また、物理特殊攻撃技リストに挙げられている固定ダメージ技はタイプ相性の影響を受けません。
    (※ただし、例外として「つのドリル」「ハサミギロチン」「じわれ」は無効のタイプ相性の影響を受けます)

    ここまですべて計算が終了したら以下の条件があるとき、順に細かい処理をして技のダメージ計算が完了する。

(5)ランダム化

    ダメージはランダム(乱数)で217/255〜255/255の39段階のいずれかになる。
    ただし、ここまでのダメージが768以上の場合はランダム化の処理を無視する。

(〆)ダメージ計算ツールの紹介


■ 追加効果の判定

技によってポケモン本体にダメージが発生するとき、技の追加効果の判定が行われます。
なお、「ダブルニードル」などの連続攻撃技の場合は最後のダメージのみ判定があります。