ポケモンのステータス(
HP・
物理攻撃力・
物理防御力・
特殊攻撃力・
特殊防御力・
素早さ)は、
- レベル
- 種族値:ポケモンの種族別の特徴
- 個体値:ポケモンの生まれつきの強さ (ポケモンの生まれつきの才能)
- 努力値:基礎ポイント
- 性格
(※「種族値」「個体値」「努力値」は正式名称ではなく、ポケモン第一世代の頃よりステータスの仕組みを解析をしたマニア達の中から広まった造語です。)
…の5種類の要素に基づいて決められています。
最近では、ステータスの仕組みに関してポケモンの開発会社も情報をオープンにしてきていますが、
それでもなかなかピンとこない人は私たちの日常で見られる地球上の動物をモチーフに考えてみましょう。
- 馬は人間よりも足が速い、象は人間よりも力持ちなどの種族の特徴を決めている数値 → 種族値
- 同じ人間同士でも生まれつきの才能がある(生まれつき体が大きい・絶対音感があるetc.) → 個体値
- 同じ人間同士でも性格が違う(ポケモンでは先天的なものとして捉えている) → 性格
- 年齢みたいなもの(?)(人間の1〜25歳くらい迄だと思ってください^^;) → レベル
- 同じ人間同士でもどれだけ努力・練習・勉強をしたかが結果として現れる → 努力値
こういった私たちの日常の生長過程でも見られる要素が、ポケモンのステータス計算の仕組みでも採用されています。
同じポケモンでもステータスにバラつきを出してポケモンの個性を出すことで通信交換を促すための仕組みなのですが、
やはり、通信対戦で採用するポケモンは才能に溢れ、努力も惜しまなかったポケモンを使いたい。
ポケモンの現実は非情である。
そのためにステータスの計算式を理解し、そこから大会やレーティングバトルで活躍できるポケモンの育成に活かしたい。
…というわけで今回はステータスの計算式とそれに基づいた対戦向けのポケモンの育成について解説していきます(^-^)/
ポケモンのステータス実数値計算式
ポケモンのステータスはレベル・種族値・個体値・努力値・性格の5種類の数値を用いて以下のように計算する。
ステータス | 計算式(※下の計算式はExcel計算用の正確な計算式です) |
物理攻撃力 物理防御力 特殊攻撃力 特殊防御力 素早さ | (((種族値×2+個体値+(努力値÷4))×レベル÷100)+5)×性格補正
(※かけ算・割り算をするとき、小数点以下が出たときに小数点以下を切り捨てにする)
=int((int((((種族値*2)+個体値+int(努力値/4))*レベル)/100)+5)*性格補正)
|
HP | ((種族値×2+個体値+(努力値÷4))×レベル÷100)+レベル+10
(※かけ算・割り算をするとき、小数点以下が出たときに小数点以下を切り捨てにする)
=int((((種族値*2)+個体値+int(努力値/4))*レベル)/100)+レベル+10 |
ここまでの過程で抑えておきたいことは…
- 個体値と努力値は足し算であり、性格補正はかけ算であるということ。
- また、努力値は4で割って小数点以下が出ると切り捨てられてから足し算されること。
- (努力レベル÷4)はステータス計算式が異なるポケモン第二世代までの努力レベルに相当する。
- レベル÷100の部分は(ポケモンの現在レベル/ポケモンの限界レベル)と覚えると良いということ。
フラットルール(レベル50)のステータス実数値計算式
次にレベルに公式大会やレーティングバトル、バトルハウスなどでおなじみのLv.50を代入してみます。
ステータス | 計算式(※下の計算式はExcel計算用の正確な計算式です) |
物理攻撃力 物理防御力 特殊攻撃力 特殊防御力 素早さ | (((種族値×2+個体値+(努力値÷4))÷2)+5)×性格補正
(※かけ算・割り算をするとき、小数点以下が出たときに小数点以下を切り捨てにする)
|
HP | (((種族値×2+個体値+(努力値÷4))÷2)+60)
(※かけ算・割り算をするとき、小数点以下が出たときに小数点以下を切り捨てにする)
|
レベル50の場合は性格補正を考慮しなければ、HPとその他のステータスで55の差が出るようです。
HPのみ優遇されているので性格補正やメガシンカによるHPの強化が存在しないのもこれで頷けますね。
性格補正はHP以外のステータスに存在し、性格によって以下の該当ステータスに対して影響が出ます。
【 性格補正 】
補正対象
| 物理攻撃力 ▼ |
物理防御力 ▼ |
特殊攻撃力 ▼ |
特殊防御力 ▼ |
素早さ ▼ |
- ▲は対象のステータスを1.1倍 (※HGSS以降の作品ではステータス画面のステータス名称が薄く赤色になる)
- ▼は対象のステータスを0.9倍(※HGSS以降の作品ではステータス画面のステータス名称が薄く青色になる)
- ▲と▼の被るところ(背景が灰色)は1.0倍となります。
物理攻撃力 ▲ |
がんばりや | さみしがり | いじっぱり | やんちゃ | ゆうかん |
物理防御力 ▲ |
ずぶとい |
きまぐれ | わんぱく | のうてんき | のんき |
特殊攻撃力 ▲ |
ひかえめ | おっとり |
すなお | うっかりや | れいせい |
特殊防御力 ▲ |
おだやか | おとなしい | しんちょう |
てれや | なまいき |
素早さ ▲ |
おくびょう | せっかち | ようき | むじゃき |
まじめ |
なお、性格補正の計算で切り捨てる小数点以下が登場していますが、正確には11/10倍と9/10倍になります。
性格補正の11or9をかけ算し、10で割るときに10で割り切れないと小数点以下が切り捨てられてしまいます。
そのため、(((種族値×2+個体値+(努力値÷4))÷2)+5)の段階で、
10で割り切れる10の倍数でなければ小数点以下が切り捨てられてしまい、計算で無駄が生じてしまいます。
ポケモンの性格補正まですべてステータスを算出した結果(実数値)が、
- 実数値が11の倍数であり、性格補正による小数点以下の無駄が無いことを 11n 調整
- 実数値が9の倍数であり、性格補正による小数点以下の無駄が無いことを 9n 調整
…と呼ばれている。
なお、性格補正は、種族値に足し算される個体値や努力値とは異なり、かけ算されるため、
種族値が最も高いステータスに補正をかければ、補正前と補正後の差で比較したときに得をします。
(倍率は同じ1.1倍でも、元の数が10なら1.1倍で11になり+1上昇、元の数が100なら1.1倍で110になり+10上昇。かける対象が大きい数ほどお得。)
隠しパラメータ:種族値・個体値・努力値
次にステータスの実数値計算で使用する隠しパラメータ種族値・個体値・努力値の確認方法に移ります。
【 種族値 】:ポケモンの種族別の強さを決める数値
第六世代で登場したスパトレで捕獲直後や生まれたばかりの努力値(基礎ポイント)を貯めてないときに、
スパトレに表示される黄色のグラフや公式の攻略本に掲載されている棒グラフで大体把握することができる。
ただし、正確な数値をゲーム内で求めるのは面倒なので、こちらの種族値リストより確認して頂きたい。
【 個体値 】:同じポケモン間での個体差(才能)を決める数値
ポケモンの個体値はそれぞれのステータス毎に0〜31まで32段階のランダムな数値が割り当てられています。
レベル、性格、種族値の同じポケモンを何度も捕獲してステータスを見ると違いがあるのはこれが原因です。
「シンクロ」特性を先頭にしてレポートしてからリセットを繰り返して固定シンボルの伝説ポケモンを何度も捕獲したり、
「かわらずのいし」を持たせて何度もタマゴを孵化してステータスをみるとポケモンの能力値に違いがあるのが分かるよ! (^-^;
個体値はポケモンゲーム内にいるパソコンのジャッジ機能に判定して貰うことで大まかな数値が分かる。
個体値が最高値の31であれば、ステータスも限界値になるので多くの場合は31さえ狙えば良いのだが、
「めざめるパワー」を使用する場合はそのタイプが各個体値が奇数か偶数かの組み合わせで決まるため、
狙うタイプにより、一部の能力の個体値31(奇数)を諦めて30(偶数)にしなければならないことがある。
また、一部のステータスの個体値を性格のマイナス補正と合わせて意図的に0を狙うこともある。
- 物理攻撃力:物理攻撃技を使用しないポケモンで混乱状態の自滅ダメージを小さくする
- 素早さ:「トリックルーム」で先制を取る、「ジャイロボール」のダメージを増やす
そのため、ステータス計算で頻繁に使用する理想的な個体値は、
(奇数)最高値の31、偶数最高値の30、(偶数)最低値の0、奇数最低値の1の4種類になります。
(※ポケモン第六世代より「めざめるパワー」の威力が60固定に変更され、最低値でも十分な威力で使えるようになった。)
【 努力値 】:ポケモンの努力を示す数値(基礎ポイント)
努力値とは、種族値・個体値・性格がすべて同じポケモンであったとしても、戦闘の経験値とは別立てで、
特定のポケモンをゲーム中でどれだけ倒したかによってステータスに差が出るという要因を作っている。
- 獲得できる努力値は倒したポケモンの獲得努力値リストの数値だけ加算されます。
- 「がくしゅうそうち」をオンにしていると味方すべてに対して同じ分の努力値が入ります。
- 群れバトルを利用して全体攻撃で一掃することで目標の努力値到達までの戦闘回数を縮められます。
ステータスの計算式では、そのまま足す個体値とは異なり、努力値は4で割られてから足し算で反映される。
このとき、努力値を4で割りきれないと小数点以下切り捨てにされ、計算過程で努力値に無駄が生じる。
努力値は4の倍数ごとにステータス計算式に反映され、4の倍数の努力値の倍数部分は努力レベルと呼ばれる。
努力値の限界値は、各ステータス合計とステータス単独で以下のように設定されている。
- 6種類の各ステータスの合計限界値:510(合計限界努力レベル127:508)
- 各ステータス単独の限界値:255(限界努力レベル63:252)
ポケモン第二世代までのように全ステータスを限界値にできないが、育成で個性を出せるようになっている。
(※合計限界努力レベルは127なので、2種類のステータスを限界の努力レベル63・1種類のステータスを努力レベル1にすることはできる)
各ステータスの単独の努力値の限界値は255ですが、ステータス計算の過程で4で割って切り捨てられるため、
限界努力レベル63に4をかけた252で十分なのですが、X・Y以降の作品では限界値が252に変更されました。
種族値と個体値・努力値の情報が揃ったことでもう一度フラットルールでの計算式をおさらいしましょう。
ステータス | フラットルールの計算式(おさらい) |
物理攻撃力 物理防御力 特殊攻撃力 特殊防御力 素早さ | (((種族値×2+個体値+(努力値÷4))÷2)+5)×性格補正
(※かけ算・割り算をするとき、小数点以下が出たときに小数点以下を切り捨てにする)
|
HP | (((種族値×2+個体値+(努力値÷4))÷2)+60)
(※かけ算・割り算をするとき、小数点以下が出たときに小数点以下を切り捨てにする)
|
((種族値×2+個体値+(努力値÷4))の足し算の和は2で割られます。ここでまたもや要注意の割り算登場です。
この(種族値×2+個体値+努力レベル)が2で割り切れない奇数だと小数点以下は切り捨てられてしまいます。
それでは、種族値と個体値・努力値がどのような状態のときに、奇数になるか、種族値から順に考えてみましょう。
まず、種族値は計算過程の中で2倍されて確実に偶数になってから個体値と努力レベルと足し算になるので、
種族値の影響するブロックで2で割り切れない奇数になることはまずあり得ないということになります。
…ということは個体値0〜31と努力レベル0〜63の足し算が奇数になると計算で無駄が出ることになります。
これにより、個体値を奇数にするか、偶数にするかで、無駄の生じない努力レベルが以下のように変わります。
- 個体値が奇数+努力レベルが奇数=偶数
- 個体値が偶数+努力レベルが偶数=偶数
繰り返しますが、努力レベルの4倍が努力値です。
努力値ベースで見るなら努力レベルの奇数(2n+1)、偶数(2n)に4倍して… ※ここでのnは自然数。
- 個体値が奇数 → 努力値が8の倍数+4(8n+4)→合計が偶数
- 個体値が偶数 → 努力値が8の倍数(8n)→合計が偶数
なお、このことからフラットルールのステータスでは、個体値が奇数か偶数かによって、
努力レベルがステータスに影響を及ぼすのはお互い0を含まないと奇数なら31段階、偶数なら30段階となる。
(※個体値31なら努力レベルベースで31段階のパワーアップ、個体値30なら努力レベルベースで30段階のパワーアップが可能と覚えよう。)
フラットルールの限界ステータス簡易計算式
最後に頻繁に想定することのある個体値・努力値を代入して、種族値の情報さえ調べておけば、
すぐにステータスが求められる便利で簡単なステータス計算式を紹介して実数値計算の解説を終わりにします。
ステータス | 個体値31・努力レベル63の限界ステータス計算式 |
物理攻撃力 物理防御力 特殊攻撃力 特殊防御力 素早さ | (種族値+52)×性格補正
(※かけ算・割り算をするとき、小数点以下が出たときに小数点以下を切り捨てにする)
|
HP | (種族値+52)+55
(※かけ算・割り算をするとき、小数点以下が出たときに小数点以下を切り捨てにする)
|
- HPは(種族値+107)と覚えても良いです。55の差がある。
- 個体値30・努力レベル62の場合はこの限界ステータス-1です。
- ポケモン第二世代までの場合は52の部分が51になります。
ステータス | 個体値30(31)・努力レベル0の限界ステータス計算式 |
物理攻撃力 物理防御力 特殊攻撃力 特殊防御力 素早さ | (種族値+20)×性格補正
(※かけ算・割り算をするとき、小数点以下が出たときに小数点以下を切り捨てにする)
|
HP | (種族値+20)+55
(※かけ算・割り算をするとき、小数点以下が出たときに小数点以下を切り捨てにする)
|
- HPは(種族値+77)と覚えても良いです。55の差がある。
- 個体値31・努力レベル1の場合はこの限界ステータス+1です。