![]() | 今夏大会「ビクトリーカップ2014」を最後に「ジム城ヒストリア」の更新を終了することにしました。 同コンテンツの公開からわずか2年で打ち切りにしてしまった、その埋め合わせ(?)として、 ジム城ヒストリアに登場したレジェンドトレーナー達にインタビューを実施してみました! 第1回はPokemon Battle Simulator(以下PBS)制作者のあみにしさんと並んで ジム城の歴史を語る上で絶対に外せないもう一人のジム城の管理人、Hidakaさんです。 彼のジム城の企画考案が無ければ、 あみにしさんらteamPA(※1)の仲間内でのみ利用されていたPBSが公開されることも無ければ、 これほど長期にわたってポケモン第二世代(金銀)の対戦が発展することはなかったでしょう。 (※1… 「POKeMON Analysis」管理人の#z80氏ともにGB版のポケモンのデータ解析を行った組織。) PBSを制作したあみにしさんが今日までの金銀の対戦環境を構築した母だとするならば、 ジム城を企画したHidakaさんは今日までの金銀対戦環境の父とも呼べるのではないでしょうか。 前置きが長くなりましたが、どうぞ宜しくお願いします。 |
![]() | お久しぶりです。 密かに見てますよー。 昔のPBS年表とかまとめるの大変だったでしょう? |
![]() | 年表の細かい日付を調べるためにWebアーカイブスを漁るのが一番大変でした。笑 |
![]() | ほんと頭が下がる思いです。 「おお、そういえばこんなことがあったのか」と見て思い出します。 いつも更新ありがとうございます。 |
![]() | こちらこそ光栄です。時間をかけて作った甲斐がありました。 今日は10年以上遥か昔のPBSやジム城の話をお訊きすることになりますが、 Hidakaさんを良く知らないジム城ユーザーさんも何かヒントを掴んで頂ければなと思います。 |
![]() | 昔話なら任せて下さい! |
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Hidakaさんと言えば、ジム城ではプロデューサーとして知られていますが、 バトルの腕前も折り紙付きで、ジムリーダーらが口を揃えて認める実力の持ち主でもあります。 古くを辿れば、その助言によりまだ幼かった妹の野並萌さんを 「第1回ポケモンリーグ 任天堂公式トーナメント」の高松大会ベスト4、 「第3回ポケモンリーグ 任天堂公式トーナメント」の愛媛大会代表にして全国大会ベスト4(※2)、 また、後にハナダジムリーダーに任命されるみかえる(※3)さんを 「第4回ポケモンリーグ 任天堂公式トーナメント」の東京大会ベスト8(※4) …にそれぞれ導いたことは今もなおスタッフサイドの中で伝説として語り継がれています。 (※2 … Hidakaさんご本人が「POKeMON Analysis」と「Pixie」に当時の同伴レポートを寄稿している。 なお、Moderatorであるいかれっこさんとよしのジムさんとも同大会の全国大会で妹の萌さんと対戦している。) (※3 … 「大乱闘スマッシュブラザーズDX」でも世界的に有名なピーチ姫使いとしても知られる有名人。) (※4 … クリスタルのモバイル配信コンテンツとして「ポケモンスタジアム金銀」で試合内容が配信されたことがある。) そして、Hidakaさんにスカウトされた8人のジムリーダーもまた、 Hidakaさんより宛てられた "for Gym Leaders." を心得て、 所属ジムの属性のポケモンを必ず選出するというハンデを負いながらも挑戦者とのジム戦に望み、 ジムバッジをコンプリートした挑戦者とのハンデなしの本気パーティによる四天王戦、 ジム戦システムが休止になってから開催された「キャッスルカップ2002」や 「ビクトリーカップ2004」でも大変優秀な結果を残されてきました。 Hidakaさんとジムリーダーの強さに迫るためには、 "for Gym Leaders." について訊いた方が良さそうですね。 |
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"for Gym Leaders."の構想はシンプル。 「『勝つ』ために、『全て』のターンにおいて考え抜き、『欲張らず』最善の選択を継続せよ」 これのみ。 ジムリ勢、特によく話したフラリオン(※4)なんかは耳タコだと思います。笑 (※4 … ジム城のセキチクジムリーダー。2002年にジム城管理側が主宰した「キャッスルカップ2002」のチャンピオン。) |
![]() | (笑) |
![]() | どのへんで試合展開に差が出てるのかな? と見ているうちに、 取らなくていいリスクを「読み」と称して欲張らないとかそのへんかなー、と思いまして、 自分が試合中に気を付けていることをつらつらと書いて紹介したのが、 "for Gym Leaders."の原型でしたね。 あと、よくあるのが流れの中での当初の役割忘却かな。 「おいキミまだやること残ってるのにそっち相手にしたらアカンやろ」って試合展開がよくあって。 そのへん気をつけとくだけで、下手打つ可能性下がるんじゃない? ってことですね。 最初に注意喚起しようと思ったのは。 |
![]() | 書かれてあることはとてもシンプルなんですが、 実は「役割」っていう重要なキーワードがでてきていまして、 これは後にジム城を取り巻くプレイヤーに浸透した「役割(理)論」の原型となる考え方でした。 金銀対戦の黎明期から、そこまで心得て対戦していたのはHidakaさんぐらいでしたね。 |
![]() | 臆病なだけですよ。 AとBの選択肢があって、 Aだと相手がこうしたときに試合決まるほど有利になるけど、 もし相手がこうしたら一気に不利になる。 一方Bだとどちらに転んでもそこまでアドバンテージは生まれないが、 まず不利にもならない、 ってときにどうするか、と。 |
![]() | 私自身も結構これはBだろうと思い込んでいて、実はAだった! …という試合展開がよくあったものでして、 "for GymLeaders" を拝読させて頂いてからというもの、 試合の最後の最後まで、 この選択をした末に相手にどう立ち回られると負けるか、 まで想定した上でコマンドを選択するようになりました。 |
![]() | ですから、Aは個人的にはただの博打でしてね。 理想的な読みは、 ローリスクだけど「あわよくば」試合を決められる選択を取り、たまたま当たったとき。 ただ、リスクを避けるってのは「ずっと眠る」こととは別なんだよ、 というのはよく誤解されがちだったので常に言ってましたね。 |
![]() | ジム城の門を叩いたものが「受けきられて負ける」という体験をして、 次第に「受ける」ことを意識するようになっていくのですが、 初心者の方に「受ける」ことを浸透させるばかりに拘ってしまって、 これを守らないと上にはいけないよ! …ぐらいに押しつけていたのが、昔の自分達でした。 今、考えると恐ろしい(^^; |
![]() | 「受ける」のは「勝つ」ための一手段にすぎないですからね。 他の勝ち筋を選んでもいいんですよ。 ただ、当時の勝ち筋としては 太鼓や一撃技に比べてリスクを避けやすい、というのはあったと思います。 そこから誤解も生じがちだった、ということになりますかね。 |
![]() | 当時というのはこの頃ですかね。 【 東京大会準々決勝第1試合 みかえる vs. スターミー 】 Hidakaさんのパーティをアレンジして参戦したみかえる(TN:コダック)さん。 対戦相手は東京大会優勝で「ポケモンふぁんネット」で有名なスターミーさん。 決勝でも活躍した「ひかりのこな」の外れが無ければ、みかえるさんが勝っていた。 |
![]() | そうそう、例のパーティのせいでそう勘違いされることは多かったです。 「受けること」だとね。それは違うんです。 |
![]() | 自分も大きな勘違いをしておりました(^^; その過ちに気付いたきっかけは、 Hidakaさん考案の眠り粉大爆発ナッシー&日本快晴ファイヤーのグレンジムリーダーパーティや、 かつてレンタルで公開された「芸術は爆発だ!」の爆破速攻55ポリゴン2に出会ったことでした。 Hidakaさんにとって「受けることは絶対」というのは違うだろうなと疑っていました。 そもそも受けるより居座ることが多い赤緑の対戦も相当極められていたプレイヤーでしたしね。笑 |
![]() | 受けとか潰しとか、用語はどうでもいいんですよね。 それは手段であって目的ではないので。 あくまでお前の目的は「勝つ」ことだと。 それを全ターンで忘れるな、情報を更新して現段階での各自の役割と最善手を考え抜け、 とジム戦前はくどいほど(偉そうに)言ってましたね。笑 |
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そうそう、"for Gym Leaders."ですが、実は長いことかきかけでした。 2001年に作成したきり、 末尾に[パーティ構築]という見出しだけが公開直前まで手付かずで残っており、 そこだけこっそり削除して公開した経緯があります。 じゃあなんでずっと書いてなかったんだというと、見出しだけ作った後、 そういえば自分の構築って『これ思いついたから入れてみよう!』と思った奴を基準に、 その時々のフィーリングでポンポン入れて、 後は実戦で細かいチューニングを、 という実に荒っぽい作り方しかしてなかったからである。単純な話。 お恥ずかしいことに、1から「こいつはこいつに弱いからこれを…」等と システマティックに熟考してパーティを作ったことは一度もなかった。(例の6匹も) ジムリ勢にのみ見せていたものにはずっと見出しが残っていたため、 公開後にフラリオンから指摘を受けた。 続きを待ってたらしい。すまぬ。 |
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私も公開前の2004年頃に待っていました。笑 10年前に主宰した「ビクトリーカップ2004」開催期間中、 まだ、Hidakaさんとフラリオンさんが「ログ100選」の企画段階の叩き台として、 貴重なHidakaさんの現役時代の対戦ログを拝見させて頂きまして、 そのときに、 Hidakaさんやジムリーダーの方々は対戦考察とかの公表には消極的だよなぁ…、と思い、 2004年の大会でも活躍したジムリーダー達の強さの秘密を掴むために、 過去の対戦ログに載っているパーティを調整して、 ひたすら孤軍奮闘しておりました。笑。 2004年の後半以降ジム城で流行っていた戦術とは時代を逆行していたのもあって、 ゴールドはまだ時代遅れの受けゲーやってるよ、と散々言われてたようなんですけど、 自分としては受けと真逆の自爆カビゴンや大爆発ナッシーを愛用する人に変わったんだけどな〜(^^; たしかに、当時の最先端は受け回しにも爆破速攻にも強い戦術が流行っていたので、 暫く使ってもなかなか勝てませんでしたが…、実践修正して良い所だけ盗んで調整しておりました。 |
![]() | 逆にあまり表を知らないので、当時の最先端、ってのを知らなかったんですよね。 綿密なパーティ構築とか全然興味なくて、 本当に「とりあえず思いついたのを入れて後で調整する」っていう行き当たりばったりな人なのは、 当時から変わってないと思います。 |
![]() | しっかりとした敗着分析が大切なんでしょうね。 立回りなのか、あるいは構築に問題があるのか。 Wi-Fiのランダム対戦で相手の顔色など伺わずに気軽に対戦できたり、 twitterなどで気軽に呟けたりする便利な時代になっている昨今、 勝った試合ばかり取り上げて、負けた試合を見てみぬフリをし続けたり、 負かされた対戦相手に対しての誹謗中傷を平然と吐露する人が増えていたりしますが、 対戦しながら丁寧な敗着分析をして構築や立回りを修正して経験値を上げる。 その驕らず謙虚な姿勢が、Hidakaさんの強さなのかもしれません。 私も見習いたいと思います。 |
![]() | いや、そう持ち上げないでください。 構築は本当にフィーリングですから! |
![]() | 長年、年表等々で色んな方の金銀のポケモンをヨイショしてきたため癖が… |
![]() | いやいや、相手も「まあまあそう言わないで」と言いつつ 褒められてていい気になってると思いますから。 円滑な人間関係のために、やはりヨイショは大事です。笑 |
![]() | 本日はお忙しい中、お付き合い頂きまして、ありがとうございました。 |